2018年09月21日に初出の投稿

Last modified: 2018-09-21

企業・ブランド5つの名前の由来((株)千趣会/ソラシドエア(スカイネットアジア航空(株)のブランド名)/ZOZOTOWN((株)スタートトゥデイが運営するファッションショッピングサイト)/(株)ユナイテッドアローズ/ヤンマー(株))の名前の由来に対し、8つのイメージ項目(この企業への好感が増した/この企業への信頼が増した/この企業をより身近に感じる/この企業の夢や願いが伝わる/この企業の理念が伝わる/この企業のイメージに合っている/発想が面白い/誰かに伝えたい)の中から複数回答式で回答を得た。

第68回:社名・ブランド名の由来に対するイメージ調査 第二弾

三年前の調査結果だ。さて、みなさんは記事で紹介されている会社のロゴマークを覚えているだろうか。NIKE とか東芝とか NEC なら多くの人が知っているし、他人にも説明できる。しかし、最近の会社は多くは抽象的なマークよりも Google や facebook のようにサービス名なり社名をそのままあしらったマークを使っている。そして、それはそれで正しいことだと思う。

漠然と思っていることなのだが、このところロゴマークと社名とラグラインのように、ブランディングに使われる(というか社名はブランディング以前に登記で必要な法人名なのだが)要素が複雑に影響し合って、却って統一感やアイデンティティを損ねているように思う。企業理念やスローガンは分かるが、ロゴマークをデザインしたりタグラインをコピーとして考案するときの与件というものは、正直なところ建前や理想にすぎない。よって、そういう理屈が口先だけの思い付きでものを決めている経営者や営業やマーケティング担当者によって濫用され始めると、たちどころにマークとタグラインと社名とを結びつける条件が雑になり、つまりはアイデンティティが崩れてきて顧客や取引先に冷笑されたり違和感をもたらすことになる。

そもそも団体や企業が相手に覚えてもらいたいのは、第一義としては名称の筈である。社内文書の「発注先」という欄に「齧られている白いリンゴ」と記入したり、契約書に「Think Different」などと書いても、法的に無効であるばかりか、どこの会社のことなのか分からない人がいる可能性もあろう。しかし、昨今の根本的に「商業デザイン」というものを誤解しているデザイナーやアートディレクターたちが、広告代理店だろうとデザインオフィスだろうと、とにかく控えめだったり流麗だったり質素だったり、要するに社名を限りなく「野暮なもの」として隠すようなビジュアルを設計し、内輪誉めの業界アワードを授け合っては、業界全体を地盤沈下させてきたように思う。こんな連中は、アーティストどころかデザインの実務家としても三流なのだが、クライアントはブランディングやマーケティングの何たるかを理解しているとは限らないので、見た目の美しさにばかり気を取られてしまう。そして、社名はそっちのけで美しいロゴを安易にデザインし直したり、タグラインを数年おきに替えてみたりと、全く無駄なことを繰り返しては結果的に社名とロゴマーク、社名とタグラインといったアイデンティティを弱めてしまったと思う。

マークというものは、どれほどの手間暇をかけようとも、しょせん会社について一部を表せるに過ぎない記号でしかない。その役割の筆頭は、実は企業理念などを図案として伝えることにはないのであって、同じマークが別の機会に別の媒体で現れた時にも「同じ会社のマーク」として人々にアイデンティティを維持してもらうためにこそある。したがって、ロゴマークを頻繁に変えるのは愚策と言われるのである。逆に、法的な問題がなくてアイデンティティを維持できる図案でありさえすれば、ロゴマークなど小学生のいたずら書きみたいなレベルのものを使い続けてもいいのだ。

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