船場センタービル

Takayuki Kawamoto

Contact: takayuki.kawamoto [at] gmail.com

ORCID iD iconorcid.org/0000-0002-7867-2654

First appeared: 2018-03-22 20:24:58,
Modified: 2018-04-05 10:01:11, 2018-04-09 21:19:40, 2018-04-10 21:48:11, 2018-04-15 07:51:09,
Last modified: 2018-04-16 22:15:07.

船場センタービル Wikimedia Commons contributors, “File:Semba Center Building No.9 in 201507.JPG.”

はじめに

船場センタービル公式サイトウィキペディアの記事)は、大阪市中央区にある一群のビルから構成されている巨大施設です(よく似た名前で箕面市千林にある「箕面船場センタービル」や、大阪市中央区淡路町の「船場ビルディング」という場所もありますが、これらと混同しないようご注意ください)。大阪市内を通る幹線道路の「中央大通」の上下線に挟まれた「阪神高速13号東大阪線」という高速道路や中央大通の高架線の真下にあり、高速道路等をビルの屋上に載せたような形状になっている珍しい建築物でもあります(専門家は、土木に類する道路や地下鉄に加えて建築に類するビルを組み合わせた一体構造と捉えるようです)。このページでは、船場センタービルの中を頻繁に通ったり、入居している店舗で買い物をする利用者の一人として、色々なテーマを取り上げます。ブログ記事とは違って雑多なテーマが混在しますし、個々の文章に関連があるとは限らず、また何度も追記・削除・修正してゆくのでご留意ください。

なお、最初にお断りとして以下の略語を定義しておきます。恐らくページのコンテンツを増やしていくたびに頻出する言葉だと思うので、冒頭で定義してから以下の文章で自由に使わせていただきます。

略語の定義

船場地区
大阪市の中心部である中央区の区域です。北は土佐堀川、南は中央大通、東は東横堀川、そして西は旧西横堀川の上を走る阪神高速1号環状線(北行き)で囲まれた区域を、大阪市の「HOPE (Housing with Proper Environment) ゾーン事業」において「船場地区HOPEゾーン」(協議会のサイト)と呼んでいます。歴史の観点から言えば、「船場」と呼ばれていた区域は南端が長堀通にまで及びますが、僕が話題にしたい区域は中央大通までの区域に限られるので、これまで適当な呼び方を思いつかずに困っていました。そして、ちょうど同じ区域を指す名称を見つけたので、本稿でも使わせていただきます。但し HOPE ゾーン事業そのものについて言及したいわけではありませんから、飽くまでも本稿で定義している範囲として「船場地区」と表記します。
「船場地区」
ビル
1号館から10号館までの、個々のビルを単に「ビル」と呼びます。例えば「ビル同士が連絡している」と書いている場合は、何号館と何号館が地下や上階で繋がっていて行き来できるという意味です。
「○号館○通りの○出入口」
船場センタービルの出入口や通用口はたくさんありますが、正式な名称は分からないので、暫定の名前を付けました。一例として、下記の地図は8号館を表しています。利用客が他のビルや南北の横断歩道からビルへ入ってくるときは、たいていオレンジで示した四つの出入口を利用します。これらを、それぞれ「8号館北通りの西出入口 (3)」、「8号館南通りの西出入口 (4)」、「8号館北通りの東出入口 (5)」、「8号館南通りの東出入口 (6)」と表記しているので、他のビルについても類推してご理解ください。なお、各ビルには中央大通に面した南北の出入口もありますが、利用客がこの付近に自家用車を止めることはできない割に広い扉なので、資材の搬入出に使われるものと考えて「搬入口」と言ってもいいかもしれません。しかし、近くに掲げてある注意書き(下の写真)を見ると「玄関」らしいので、「8号館北通りの玄関(1)」、「8号館南通りの玄関 (2)」と呼びます。南北の玄関は「エレベーターホール」で結ばれていて、エレベーターホールでは北通りから南通りに替わったりできますし、エレベーターだけでなくエスカレータでも上下階に移れます。
出入口
玄関付近の注意書き

なお、このページを作ろうと思い立った理由は三つほどあります。

第一に、僕自身が船場センタービルをよく通り、特に東西の端にある「ダイソー」や「天牛堺書店」を利用するので、ここを利用していて気づいたことや興味深いことをご紹介しようと思ったからです。船場センタービルについて書かれたページを検索すると、公式サイトが出てくるのは良いとしても、「トリップアドバイザー」のような安っぽい(恐らくは現地へ本当に足を運んだことすらない連中が、コタツ記事として書いているにすぎない)レビューで埋め尽くされた、そして JavaScript が重すぎてブラウザがクラッシュするかと思うような実装のサイトが上位に来ているのは、一人の IT 技術者でもあり IT 企業でオンラインサービスを運用する立場から見て恥ずべきことと思います。こういう物量だけで順位を上げてしまったクズを凌駕するサイトを作るのは難しいことですが、個々のページについては丁寧に文章や写真を追加していって悪貨に打ち勝つことは可能です。

第二に、地元で利用している人として船場センタービルという商業施設そのものについて書いている記事が意外に少ないように思えるからです。商業施設であり、しかもそれなりに巨大なので、地元で利用していてもせいぜい一部の店舗へ足を運ぶだけという人も多いでしょうから、船場センタービル全体についてというよりも、何かを紹介するなら実際に自分が利用している店について書く方が簡単ですし、動機としても自然でしょう。実際、船場センタービルを通勤・通学の目的で端から端まで横断している人は少なく、僕が通る18時から20時くらいの時間帯に僕と同じように横断している人は殆ど見かけません。せいぜい数ブロックを通り抜けるていどの方が多いので、船場センタービル全体について何かを書こうという人が少ないのは仕方のないことです。しかし、そうなると最初に挙げたような安っぽいレビューで埋め尽くされたサイトが上位に上がってくることにもなります。

第三に、船場センタービルという施設は僕が「歩行論」というカテゴリーで展開している論説にも関係があるからです。大阪の街路を歩くということは、他の土地に比べてあるていどのリスクを伴います。もちろん、ヤクザやチンピラやヤンキーが徘徊していると言いたいわけではなく、寧ろ彼らよりもたちの悪い一般人、つまりサラリーマンや主婦や携帯の画面をのぞきこんだまま歩いたり通話しながら自転車に乗っている連中の方が数も多くて危険だからです。こういう、無邪気で無頓着な愚か者に危害を加えられたり、相手に逆ギレされないためには没交渉が最善の選択です。そういう危険を回避する一つの手段として、ゴロツキ金融屋やクソ総会屋といった守銭奴どもの巣窟である北浜なんていう掃き溜めを通るよりも船場センタービルを通る方が安全だと考えています。

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船場センタービルのロゴ Wikimedia Commons contributors, “File:Semba Center Building in 201507.JPG.”

I (2018-03-21)

船場センタービルの見取り図

僕が船場センタービルを利用する理由は幾つかあります。第一に、3号館にある天牛堺書店(船場店)や、ダイソー(船場センタービル1号館店せんばセンタービル10号館店)に立ち寄るからです(船場センタービルの10号館にある店名が平仮名になっているのは、区別しやすくするためなのでしょうか。ビルの正式名称は漢字表記です)。第二に、船場センタービルは4号館から9号館が二階から上で連絡しているため、4号館のある御堂筋から9号館のある堺筋まで、信号はもとより、交差する歩行者や自転車に進路を遮られることなく直進できるからです。しかも風雨や季節や時刻に関係なく安定した環境なので、非常に歩き易くて安全と言えます*。そして第三に、良し悪しはあると思いますが、地上階の店舗の大多数が 18 時頃までには閉店してしまうため、フロアが空いているという点からも歩き易いからです。僕は、18 時過ぎに退勤して会社から歩いてくるわけですが、船場センタービルへ着く頃には早くても 18:30 くらい、遅ければ 19 時を過ぎているので(もっと残業して遅くなっている場合は、そもそも違う経路を通ります)、地上階では天牛堺書店とダイソーが 19:00 の閉店で何とか立ち寄れるくらいのものです。それ以外の洋服・鞄・眼鏡・輸入家具などを扱っている店舗や上階の繊維問屋さんらの大半は、17 時ですら既に閉店していたりするので、夕方を過ぎるとビルの中はかなり閑散としています。店仕舞いをしている店舗もありますし、清掃業者や工事業者やガードマンの巡回もあるため、無人というわけではありませんが、それなりに用心して歩くことをお勧めします。

*但し、船場センタービルに入居している店舗のうち、飲食店以外の衣料品や雑貨を扱う店の多くは18時までに閉店してしまうため、サラリーマンが帰路で利用する場合は店が閉まってからフロアの清掃や点検が終わってビルの出入り口が閉鎖されてしまうまでの、だいたい 18:00 ~ 20:00 のあいだに通過しなくてはなりません。ちなみに 20 時を過ぎても上階にはテナントが入っていて業務されていることもありますが、それらの事業者の人員はビルの中にあるエレベータや階段で地下や地上階の通用口等から退出しているのでしょう。船場センタービルの地下は飲食店街や駐車場になっていて、このフロアは 22 時頃まで利用できるからです。但し、船場センタービルの地下階でも、遅くまで開いている地下二階はビルどうしが連絡していないか、他のビルへ移動するのに地下鉄の駅構内を複雑な経路で移動しなければならない箇所があります。

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II (2018-03-22)

営業時刻が過ぎた店舗を眺めていても色々と気づくことはありますし、この船場センタービルという建築物群についても興味深いことが分かってきます。たとえば、地上階を歩いていても気づきませんが、二階から上のフロアをビルどうしの連絡箇所まで歩いてくると、9号館から8号館への連絡箇所、8号館から7号館への連絡箇所・・・といった、それぞれの連絡箇所で西から東に登る階段とスロープが敷設してあります。つまり、船場センタービルはビルどうしでフロアが西から東へどんどん上がっていっているということが分かります。一つの連絡箇所で約 20 cm ほどの段差があるように見えるので、9 - 8 - 7 - 6 - 5 - 4 と 5 箇所の段差を合計すれば、フロアの1階ぶんとまでは行かなくても、恐らく 1 m 前後の高低差があると言えるでしょう。更に、3号館から1号館もビルどうしが連絡しているので、船場センタービルの二階フロアは西の端から東の端までを考慮すると、1 m 以上の高低差があると分かります。

船場センタービルの連絡路 9号館から8号館への連絡通路にある階段

船場センタービルの連絡路 8号館から7号館への連絡通路にある階段

船場センタービルの連絡路 7号館から6号館への連絡通路にある階段

船場センタービルの連絡路 6号館から5号館への連絡通路にある階段

船場センタービルの連絡路 5号館から4号館への連絡通路にある階段

船場センタービルの連絡路 3号館から2号館への連絡通路にある階段

船場センタービルの連絡路 2号館から1号館への連絡通路にある階段

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III (2018-04-05)

公式サイトの FAQ に、下記のような質問と回答があります。

Q. 車イスでも行けますか?
A. 1〜3号館、4〜9号館の館内は地下1階通路でつながっておりますので通行可能です。

この回答は、もし身障者が地下駐車場から上がってきて店舗を利用するなら適切かもしれませんが、地上で船場センタービルへ入る場合は他の説明を加えた方がいいと思います。ご承知の方も多いと思いますが、船場センタービルの各ビルは南北を走る大小の公道で区切られていて、一部の出入口は公道から高くなっていて階段を登らなければ入れません。したがって、車椅子で入る方は、4号館の西出入口、5号館の西出入口、6号館の西出入口、7号館の西出入口、10号館の西出入口は二段以上の段差があるため、スロープがないので車椅子ごと持ち上げてもらうといった介助が必要になります。その他のビルについても、東出入口は段差の少ない構造になっているようですが、西出入口は一段でも落差の大きい段差があるので、注意が必要でしょう。II で書いたように、各ビルどうしに段差があるという事情に加えて、50年近く前の建築物ゆえに UD など全く考慮していないという限界はあります。

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IV (2018-04-09, 2018-04-10)

上記では地下通路が繋がっていると説明されていますし、僕自身も地下を通ってみた経験はあるのですが、今回は試しに10号館から1号館まで地上へ出ずに歩けるのかどうか確かめてみました。

結論から言えば、地下の通路だけを通って10号館から1号館へ行けます。しかし、僕が通った経路は非常に複雑なので、初めて船場センタービルへ来た人には分かり難いと思います。他に楽な経路がないかどうか改めて確認しますので、ひとまず「変な経路」であると断った上で説明します。

  1. 10号館北通りの西出入口あたりの階段で地下1階へ降りて、飲食店街を東へ進みます。エスカレータも利用でき、10号館だけは地上と地下を行き来するエスカレータが東西方向に設置されています。なお、10号館北通りの出入口にある階段を地下へ降りると守衛室の前を通ることになりますが、利用客が通っても問題ありません。
  2. 突き当たりの細い通用路を通ると、本町駅の地下通路に出られる狭い出口があります。下の写真で一枚目の看板だけを見ると階段を使うように思えますが、本町駅の構内へ通じる途中に階段はありません。そして看板まで来たら右の狭い通路へ入り、二枚目の写真と同じ場所へ出るので、突き当たりの通路は左へ曲がります。すると前方に本町駅の構内へ出る箇所が見えてくるのですが、本町駅の地下通路へ出たところは、特に右からやってくる人に注意しましょう。左側(西側)には PRONT という喫茶店があって視野が開けていますが、右側にはまだ壁が続いているので、右から来る人が全く見えないからです。(構内連絡用のエスカレータは出入口から見て奥にあり、出入口のある手前側は階段へ通じているので、不用意に出入口から直進すれば右方向から階段を降りて来た人と衝突する危険があります。)
  3. 本町駅構内の通路に出たら東へ向かってエスカレータか階段を使って上がり、暫くは駅の通路を進みます。すると、連絡口などと書かれた看板があります。その看板のあたりに入って進むと、確かに東方向のビルへ連絡はできますが、通路ではなく地下駐車場に出てしまいます。でも、見通しが良いので真っ直ぐ進めることが分かります。(なお、下記の写真で1枚目の出入口、つまり本町駅から再び9号館へ入った所にあるエスカレータを使って B1F に上がると、B1F を東へ向かって進めます。)
  4. そのまま地下駐車場を進みます。駐車場は8号館の地下から5号館の地下まで貫通しているため、駐車場を抜けると4号館の西側に出ます。 船場センタービルの地下駐車場
  5. そこから再び飲食店街を少し進むと、堺筋本町駅の地下通路に出るので、そのまま東へ抜けてまた飲食店街へ入ります。
  6. 2号館の地下あたりまで店があります。そこから先は倉庫や事務所ですが、19時くらいなら通れるので、突き当りまで行くと1号館の地下まで来ます。
  7. 1号館まで来たら、突き当りでエスカレータかエレベータで上がります。地上は1号館の西出入口あたりに出ます。ちなみに、20時頃にエスカレータを上がると、北通り・南通りの東西全ての出入り口のシャッターが閉まっていました。こうなると、地上で外に出る経路はなくなります。再び地下へ戻り、最短でも地上との他の連絡通路がある2号館へ逆戻りして、板屋橋筋付近の出口から地上へ出るしかありません。

いちばん面倒なのは、御堂筋と交差する本町駅の地下あたりです。PRONT という喫茶店の前に出る通路は、どう考えても業務用ではないかと思えるような狭さなので、進むのに躊躇してしまうかもしれませんが、そのように進むよう看板まで付けてあるので歩いても問題はないのでしょう。

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リンク

「トリップアドバイザー」や「じゃらん」を始めとする、クソみたいな JavaScript でブラウザをフリーズさせることが多い観光・旅行・宿泊情報サイトは、コンテンツも貧弱でたいていは他のサイトからのコピペなので紹介しません。また、グルメ情報や買い物情報あるいは PR 系のサイトも殆どがゴミ(情報として陳腐化が早いというだけでなく、情報そのものの価値が低い)なので無視します。

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参照

石本建築事務所
「船場センタービル外壁改修: 大阪府大阪市 2015年」, http://www.ishimoto.co.jp/products/3232/, accessed on 5th April, 2018.
嘉名光市, 増井 徹 (2011)
船場センタービル建設に至る経緯とその計画思想に関する研究: 基本構想(案)・実施計画(案)の分析を通じて」, 『都市計画論文集』, vol.46, No.3 (2011), pp.685-690.
熊谷組 (2015)
「大阪・中央大通にある商業ビルの外壁約1kmを大規模改修 船場センタービル外壁改修工事:熊谷組の今:熊谷組」, No.75 (2015), http://www.kumagaigumi.co.jp/now/update75.html, accessed on 1st April, 2018.
この改修については、『新建築』(2017年1月号)の178頁にも紹介されている。
岡山 茂, 木葉竹英樹, 福元通明, 佐藤 實, 小川哲男, 加藤弘之, 木内二三夫 (1991)
「座談会 道路一体建物について(阪神高速道路の現状)」, 『不動産カウンセラー』, No.4 (1991), pp.4-24.
社団法人日本不動産鑑定協会(現在は公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会)の不動産カウンセラー部会が発行していたもの。現在は独立の NPO 法人である特定非営利活動法人日本不動産カウンセラー協会となっているが、『不動産カウンセラー』は発行していないもよう。ちなみに、この文章を全て違法に転載している新左翼みたいな体裁のサイトがあるが、クソは勝手にウェブの廃墟となってもらいたいのでリンクしない。
篠原 修, 天野光一 (1986)
都市高速道路の景観設計思想の比較研究」, 『土木計画学研究・論文集』, Vol.3 (1986), pp.89-96.

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