2019年09月06日に初出の投稿

Last modified: 2019-09-06

路上を歩いているときでも室内でもいいが、何かを思いついたときにメモをとる習慣は大切だし便利でもある。そして、このところ多くの人々(繰り返すが、携帯やスマートフォンやノート・パソコンやタブレットを持ち歩いている人間など、現在でもせいぜい6割弱といったところだ)にとっては、スマートフォンを始めとするモバイル・デバイスにインストールしたアプリケーションを使うということが、メモをとる挙動の第一ステップになっているらしい。しかし、それは合理的な選択ではない。これは実際にメモ帳とメモ帳ソフトを使い比べてみれば誰でも分かることだから、ぜひ試してもらいたいものだ。

メモ帳のアプリケーションに限らず、誰でも気づいているとは思うが、実はスマートフォンのアプリケーションはソフトウェアとしての起動が異様に《遅い》。Apple が始めた、いつものハッタリ UI デザインに感化されてしまっている人も多いとは思うが(僕はジョブズという人物は優れた詐欺師であり、デザイナーどころか経営者ですらないと思っている。こういう人物はオーガナイザーとして大きな足跡も残すが、こういう人物を真似たところでデザイン事務所のディレクターやマーケティング担当者ていどのイカサマ野郎になるのが関の山だ。人の親であれば、子供にこういう人物の伝記を読ませるような愚行は即刻やめるべきである)、あのヌルッとした挙動やフェード・インは単なる時間稼ぎにすぎない。それはそれで巧妙なテクニックではあるが、何にしてもスマートフォンのアプリケーションを起動する所要時間が長いという事実を胡麻化すためのものだ。

他方、胸ポケットにメモ帳と小さな筆記具を入れておいて、必要があれば取り出して記入するという作業は、手を伸ばすだけで開始できる。これ以上のハイ・レスポンシヴとも言うべき一連の動作があろうか。もちろん、原理的にはあるかもしれない。恐らくこれから数年か数十年が経過すると、僕らが声を出さずに心で話すだけで記録できる方法が誕生するかもしれないし、もちろん僕もそれを期待している。現在のところスマートフォンのアプリケーションなどクソみたいなレスポンスだが、何も僕は《デジタルよりもアナログがいい》という、センチメンタルな日本の文芸評論家や社会学者のような逆張りの議論をしたいわけではないからだ。

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