2017年03月02日に初出の投稿

Last modified: 2017-03-02

村上春樹『騎士団長殺し』の装幀が生まれるまで。

苟も人の手でデザインされた商品である限りは、どういうものにも制作過程のさまざまな経緯や事情というものがあるし、設計上の目論見とか意図がある。それを詳らかにされただけで成果物の評価を変えるくらいなら、僕らは「(元)デザイナー」を名乗ったりはしない。寧ろ、そういう裏話のようなものは「評価したものについて詳しく知りたい」からこそ調べたりするものであって、設計者に弁解がましく言われたり勿体ぶって解説されようと、それで評価の足しにするようなものではなかろう。少なくとも、プロとして食べているデザイナーであれば、それくらいの矜持はあると思うが。

したがって、こういう記事が出ようと出まいと、僕はこの装丁を特に他の商品(他の作家、他の著作)よりも高く評価するつもりはまったくない・・・ていうか、いまどき記事のタイトルに句点をつけるなんて、何週遅れの糸井フォロワーなんだよ。いまの若い人には新鮮に見えるかもしれないけど、記事のタイトルに句点をつけるなんてのは、少し戦後の広告を勉強すれば「古臭いスタイル」であることが分かると思う。そして、過去の成果に学ぼうとしない人間は、全く正確に同じ過ちをおかす(こういうスタイルが流行したおかげで、文として成立していない表現を文として扱うという単純な誤りだけでなく、日から拒否するクオリア信者、実は広告代理店にとってはいいカモなのだが、そういう人々を量産したと思う)。なぜなら、凡人のやることに多様性なんて実は無いからだ。

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