2019年04月22日に初出の投稿

Last modified: 2019-04-22

データを小さいものから順番に並べることを「昇順(ascend)」と言い、逆にデータを大きなものから順番に並べることを「降順(descend)」と言う。しかし、この表現は昔からどうも直感的に分かり難い。そもそも小さいものからであろうと大きいものからであろうと、とりわけこういうものを多用する表では項目を眺めるのであれ計算するのであれ「上から下へ降りてゆく」のだから、どちらも「降りている」ことに変わりはなく、どちらかを「『降』順」と呼ぶのは混乱の元である。こんなことにすら気づかずに "ascending," "descending" を訳した情報科学者というのは、本当に言葉のセンスがない人だなぁと感心してしまう。こういう連中は日ごろから言葉を扱う分野の人々を「文系」とか馬鹿にしている人も多いが、その「文系」とやらに属するセンスのなさゆえに、自分が多くの人々を混乱に陥れている無能であるという自覚が足りないと思うね。よって、少なくとも当サイトでは「昇順」「降順」という語句を使うのは禁止しようと思う。自分のウェブサイトで馬鹿の習慣に従う必要など、全くない。

どういう順番でデータを並べるのであれ、「上から下へ」あるいは「左から右へ」という、現代の日本人が横書きでものを書くときに文字を並べる仕方に沿った向きを仮定すると、どちらかを「昇る」とか「降りる」と表現することには正当性がない。たとえば、ブログ記事というコンテンツを「記事ID」という整数型のデータによって並べることを考えよう。この記事 ID は、作成した順番に従って数字として大きくなるので、新しい記事ほど大きな数字で記事 ID がついている。

このとき、記事 ID を「並べてください」と言われたら、これを ascending に並べるのか、それとも descending に並べるのか、自明と言いうる根拠はない。それは、ブログ記事の並び方について、最新の記事から並んでいる方が良いという人もいれば、最初の記事から並んでいる方が(実は)良いという人もいるのと同じである。前者は、とにかく最新の情報がほしいという人なのだが、後者は単に日本語の文章として「上から下へと順番に読み続けられる」ということを望んでいるだけであって、何も奇妙なことを言っているわけではない。そして、後者の人々にとっては記事 ID が小さいものから並ぶことが「降順」だと感じられるかもしれないが、実は「降順」の意味としては逆であり、ブログ記事の並び方としては圧倒的に普及している並び方の方が「降順」なのだと言われると、違和感を感じる人がいるのも事実である。

つまり、違和感を覚えるのは、いったい何が「昇ったり降りたりする」のかが分からないからだ。記事 ID の並び方として 1, 2, 3, 4, 5,... と上から下へ降りることを「昇」という漢字を使って表現されることの気味悪さが、である。かろうじて牽強付会の解釈をすれば、これは順位の数字であり、"1" とは表彰台の1位と同じであり、"2" は2位であり・・・と思い込むくらいでしか対応できまい。

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