2018年01月02日に初出の投稿

Last modified: 2018-01-02

日かるのだけど、多くの著作では両者を取り違えているように感じる。数学として展開して解説するべきポイントと概念を整理して解説するポイントが違うんじゃないかと思えるものが多く、このあたりはものを書くとかプレゼンテーションとかメディアリテラシーという訓練を真面目にやっていない日本のプロパーの弱点がよく現れている。

簡単に言うと、日本に限らず通俗的な本を書く人や出版社の編集者の大半は、数式を使った解説の利点と欠点を厳密かつ正確には理解していないと思う。それゆえ、数式による解説が厳密さのためなのか、それとも正確さのためなのかを理解できず、多くの人に敬遠されるというだけの理由で、誤解を招かないためには数式を使うべきところでも曖昧な言葉で説明する。あるいは、或る理論や学説の厳密な着想 (concept) として概念を厳密に組み立てて説明しなければいけないところで数式を持ち込み、逆に問題の本質が演算として処理されるかどうかの話であるかのように誤解を招くようなことをしてしまう。数学者や物理学者の多くは理解していることだと思うが(そして、できれば科学哲学者の多くも理解しているはずだと思うが)、なんでもかんでも式や変項で表現できるものではない。例えば、この宇宙(「この宇宙」という表現をどう解釈してもよい)を一個の数で表現するなどということは、厳密に言っても正確に言っても「無意味」である。

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