2018年02月19日に初出の投稿

Last modified: 2018-02-19

90年代半ばにWebサイトを作ったときは、eコマースへの大きな夢があった。基本的に実店舗は消えてしまうであろうし、何もかもドットコムが支配するだろう。でもeコマースは、惨めにもその夢を打ち砕いた。今日、Webサイトやアプリから生じている商行為は全商業の15%足らずであり、しかも企業として成功しているeコマースはAmazon, eBay, Netflixなど数えるほどしかない。Webサイトをだめにした大きな構造的問題は二つある: それはHTMLとGoogleだ。

Webが人間性を取り戻すとき、これまでのWebサイトとeコマースはすべて死ぬ

HTML が学術研究者のコミュニティによってつくられた「文書」という論理的構造を元にしている以上、それが動画サイトや e コマースの与件と噛み合わないのは当然だろうと思う。よって、e コマースを真面目に展開したいなら、最初からサイトなんて無視してモバイルのアプリケーションを作った方がいいだろう(そして、宣伝は SNS でやればいい)。

それから、いまや "SEO" とは事実上は "GO" (Google optimization) なのだが、これに一喜一憂するのが「ウェブマスター」や「マーケティング担当者」の主な職能となってしまい、対面販売の経験すらない、ツールを弄るだけの人材が販売や営業を取り仕切るようになってしまった。また制作する側でも、特にコーダは AMP など Google だけに特化した下らないテクニックを身に着けなくてはならないので、どうでもいいテクニックの仕様を習得するために振り回されているのが実情だ。

しかし、著者が言うような「会話」を主体にしたウェブコンテンツが、既存の(たいていはクズみたいな JavaScript と写真でつくられた)ウェブサイトを凌駕するかと言えば、それはないだろう。そもそも、喋るという行為は高コストな割にリターンが少なく、また誤解の余地があったり相手に反感をもたらすというリスクも抱えた、効率が非常に低いインタラクションだ。家族のように後から訂正したり、共通の知識があったり、相手の価値観を色々な機会に知っているような間柄ならともかく、全くの他人だと正確な意図を伝えることがまず難しい。DELL のサポセンに電話をかけてインド人や中国人の意味不明な日本語を聞かされた人は数多くいると思うが、日本人の意味不明な日本語を聞かされることだってあるのだ。

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