Scribble at 2022-02-09 15:02:05 Last modified: unmodified

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恋声

教材の動画を作るときは地声でいいが、YouTube などで公開する動画は声を変えたいと思っている。そういうわけで voice changer をいくつか試してみたのだが、「恋声(こいごえ)」というソフトウェアが最も良い印象を受けた。

まず「ボイスチェンジャー」というキーワードで検索すると「PowerDirector」という動画編集ソフトのアフィリエイトやら宣伝が目に付くのだが、これにも音声を変換する機能があるらしい。ただし、あくまでも動画編集ソフトなので遠慮しておいた。動画は、僕は昔から Premiere Pro と After Effects しか使う気がしない(なんで乗り換えるだけの決定的な理由もないのに、興味本位だけで他のものを試したり慣れる時間を使わないといけないのか)。

次に、「バ美声」とか「Gachikoe! Core」といったフリーソフトもあったが、これらは BOOTH という Pixiv のコミュニティ・サイトで配布されており、いちいちユーザ登録するのが面倒臭いので無視した。たぶん Pixiv のコミュニティだけで普及すればいいという目算なのだろう(ふつう、一般公開したいなら自分のサイトかクラウド・ストレージで公開するはず)。

そして「VOICEMOD」というツールもメール・アドレスを登録しないとダウンロードすらできないので、これは仕方なくメール認証までしてダウンロードしてみたのだが、はっきり言って UI もわかりにくいし機能もしょぼい。がっかりだ。おまけに初回起動ではサーバとの接続に失敗してクラッシュするし、マイクの対応サンプリング周波数が合っていないだの、デスクトップ・マシンで起動してるのにイヤフォンを出力デバイスに指定しろだの、デバイスの扱いが雑にプログラミングされている印象がある。

「Clownfish Voice Changer」はフリーのソフトウェアとして簡単に試してみることはできた。ヘリウムのガスを吸い込んだ後のヘン声とか赤ちゃんっぽい声とかは面白いが、結局はそういうエンタメ系の変換しかまともにできない印象を受けた。普通の話し声として調子を変えたり整えたいだけなのに、宇宙人の声とか、ニューズ番組の取材に答えてる覆面金融屋とか、ワイドショーのインタビューにガラス越しで答えてる援交女子高生とか、そんな声ばかりですぐに飽きる。

あと、ユーザーローカルとかいう会社がオンラインで提供している変換サービスもあるが、まぁ自分の肉声を他人のサーバにアップロードするのって、どれほど個人情報保護方針が掲載されていようと、普通の感覚では嫌だよな。もちろん会社としての悪用はされないと思うけど、退職者がデータを盗んでオレオレ詐欺の通話用に使ったりしないという保証がないわけで。

そうした中で、気軽に使えるのが「恋声」というフリーソフトだった。開発が停止しているようだが、いまでも十分に使える。起動すると上記のようなウィンドウが出てきて、左のペインが調整用、右のペインが出力音声のモニターになっている。変換は、真ん中あたりの Pitch(声の高さ、基音)と Formant(声の質)を調整するという簡単なものだ。Pitch を上げたり下げると声が高くなったり低くなったりする。しかし、それだけだと変な声になってしまうため、声の高さに応じた質も一緒に変えて調整しなくてはいけないという。そして、30分ほどあれこれと使ってみた感想としては、ここをあまり極端に変えてはいけないということだ。実際には、数パーセントほど変えただけでも自分自身の元の声とは違う声になるので、極端なことをする必要などないのだ。

それから注意点として、「ボーカルの音域」という調整は変えないほうがいい。ここを変えると、かなりの頻度でプログラムがフリーズしてしまうからだ。また、「Effect」ボタンでイコライザーも使えるが、イコライザーを有効にして5分ほどマイクからのリアルタイム変換を実行していると、やがて声の変換が追い付かなくなってきたり声が割れてくる。僕の、それなりにスペックがあるデスクトップ・パソコンですらこうなのだから、あまり余計なことはしないほうがいいだろう。WAV 形式で出力してから、Premiere Pro に取り込んでノイズを除去したり音質を再調整したほうがいい。

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