Scribble at 2025-08-14 15:31:47 Last modified: 2025-08-14 20:28:10
さきごろ会社のメール・アカウントに「お名前.com」から通知が来ていて、なんでも .site などの TLD を管理している団体が「モニター制度」を始めたらしい。1年間だけ無料でドメインが使えるというわけだが、もちろん1年後には .site だから実際には年間で4,268円などという料金を払わなくてはドメインを維持できない。典型的かつ未熟なレベルの囲い込み(ロック・イン)というセールス手法だが、こんなものに引っかかる方がおかしいわけで、おそらく殆ど営業的な効果はないであろう。もちろん、その1年間だけ公開する予定のサイトがあればドメインを取得してもよいとは思うが、登録時のプライバシー情報を相手に握られることだけは覚悟したほうがいい。
これはミクロな状況だが、更にマクロな状況で言えば、独自ドメインをもつ意味というか効用(あくまでも期待されているだけのものだが)は値打ちが下がり続けている。とりわけ、企業で営業メールを受信して眺めている人なら知っているように、いまや個人事業主やベンチャー企業の大半は、独自ドメインなんてもっておらず、株式会社を名乗っていながら平気で GMail のアカウントからメールを投げてくる。最初は、もちろん依頼主のメール・アカウントを発行してもらえなかった営業代理店やクラウド・ワーカーが投げてきているだけだと思っていたのだが、どうやらそうでもないということが5年くらい前から実例として増えてきた。なぜなら、交換した名刺にすら GMail のアカウントを記載しているような株式会社の社長がいるからだ。もちろんだが、ドメインの登録料ですら不要という合理的な根拠があればともかく、そんなコストすら捻出できない財務状況の会社なんて、こっちは与信を通すわけがない。どれだけ名刺をもらおうと、そんな会社から物は買わないし、作業の発注もしない。ドメインを登録するということは、ひとまず簡単ではあるが第三者に法定書類(登記簿)を提出して法人としての確認を経ている証拠になっているわけで、そういう手続すら金や人員あるいは知識が足りずにやっていないなんてのは、株式会社を名乗っているだけの「部活」にすぎない。
とは言え、そういう与信判定など関係のない個人事業主やクラウド・ワーカーの世界では、金や知識がなくても電脳内職はできるわけなので、ドメインや登記簿なんて無関係というわけであろう。それはそれで、世の中の一つの実態ではある。そして、そういう人々を或る意味では騙して、独自ドメインに何か特筆するべき有効性があるかのようなホラ話を続けてきたドメイン会社は、そろそろ出鱈目な話が通用しなくなってきているわけである。しかも、ここ最近の過剰な値上げで、5年前と比べてドメインの維持コストが3倍くらいになっていて、もちろん年間で5,000円ていどのコストを払ってもいいわけだが、殆ど合理的な理由のない値上げ率に、僕らも含めて既存の利用者もうんざりし始めている。ましてや、これから有効かどうかも分からないのにドメインが必要かと言われて、個人事業主やベンチャーがわざわざ独自ドメインをもつかと言われれば、僕は疑問をもっていいと思う。もちろん、個人事業主やベンチャーなんて9割が3年も保たずに廃業するわけなので、現実から言っても彼らが独自ドメインどころか屋号すら名乗る意味はないわけだが。