Scribble at 2024-05-26 18:05:13 Last modified: unmodified

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シェルドン・ソロモン, ジェフ・グリーンバーグ, トム・ピジンスキー『なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか : 人間の心の芯に巣くう虫』 (大田直子/訳、インターシフト、2017)

うーん。結局はエピクロス派の話で終わるのか。いや、この本、というか、そもそも TMT (terror management theory) に何を期待したり想像していたのかということでもあったわけだけど、かなり失望した内容だ。だいたい、原著にしてから書名の付け方が駄目だよなぁ。あと、近い防衛と遠い防衛という雑な話にしても、とにかく人の心理についての明解な議論が出来ていないという印象が強くて、関係のありそうな実験結果を集めてきて針小棒大な話をしているように見受ける。あと、実験結果を取り上げるときに、僕がどういう分野の本であっても困惑させられるのが、「わたしたちのお気に入りの実験は」という言い方だ。これではまるで、自分たちの仮説や思い込みにとって都合のいい結果を集めてきましたと自白しているようなものだ。

死を自覚して、死と共に生きよ。もし TMT がこんな中学生の作文みたいなことしか言えないのであれば、そら心理学の学界において無視されるのは当然だ。こんなのは学問ではない。日本で大量にクズみたいな本を売りさばいているギリシア哲学の三流研究者が書いた、『嫌われる勇気』などと同レベルの自己啓発本でしかない。

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