Scribble at 2022-10-06 14:30:54 Last modified: 2022-10-08 09:06:47

いまのところ、一昨年あたりから Notes の文章で文言を強調するためにブラケット(〈, 〉, angle brackets)を使っている。これは、当サイトの CMS が HTML タグのマークアップを許容しないという理由に加えて、連れ合いが一重の括弧(「, 」)で文言を強調する表記に違和感を覚えるらしく、彼女がそういう違和感を覚えるのであれば、もちろん日本で他にも同じように違和感を覚える人がいてもおかしくない。すると、伝聞やセリフを表現したり論文名や書類名を表すだけでなく、文言を強調するときにも一重の括弧を使ってきた僕の書き方では、何人かにいらぬ誤解を与えている可能性があった(なお、一重括弧で文言を強調するのは日本語での用法として間違っているわけではなく、特に初期の WWW ブラウザでは傍点を扱えなかったので、傍点よりも括弧で強調する事例が多かった)。

よって、強調したい文言を表現するために使える他の記号としては、メールや Twitter でしばしばアメリカのネイティブが使う ***this*** というアステリスクの連続とかも考えたのだが、これは日本語では不自然な表記になってしまうので、採用しなかった(何かの mailing list へ英語で投稿するときは使っている)。他に使える記号というと、もちろん他の種類の括弧として色々あるわけだが、二重括弧だと同じように誤解を招く可能性があるし、クソ営業がメールの件名に使いたがる隅括弧(【, 】)は憚られる。また、square([, ]), curly({, }), tortoise shell(〔, 〕)と呼ばれる種類の括弧は、それぞれが注釈や計算式に使われることが多いため、これを強調の意味で使うことは文法違反である可能性が高い。欧州の言語で用いられるギュメ(《, 》)も検討したが、これもいささか目立ちすぎる。ということで、現状のように山形括弧を使っている。

ただし、これらの山形括弧も日本語では決まった用法が決められていないとは言え、もちろんこれを使うフランス語などでは引用符として使われているため、他の言語で異なる用法があって使われている記号を、別の言語だからといって違う用途に使っていいかどうかは微妙であろう。特に僕は英文で書くこともあるため、there is no 〈sufficient〉 reason for whether I can use angle brackets to make an emphasize on a phrase or word. それに、僕が使っている山形括弧は日本語の文字として変換し出力している2バイト文字なので、ASCII 文字の文章の中で、一部の文言を強調する場合にだけ2バイト文字を使うというのも変な話であろう。

そして、2年ほど運用してきて思うのだが、はっきり言って文言を強調するのに山形括弧(ブラケット)を使うのはおかしい。書いている僕自身が強い違和感を覚える。そろそろ実感としては耐え難くなってきていて、ブラケットを使い続けるくらいなら、この CMS で簡単にマークアップするていどのマクロは実装したほうがいいとすら思う・・・そうだ。有能な人間はそれをやらなくては・・・ということで、今週の3連休を使って Notes に幾つかのマクロ機能を追加することにした。ブロック要素はかなり大掛かりなパースの書き直しをする必要があるため、ひとまず上記の strong タグに加えて、em タグ(当サイトでは italic になる。欧文の書名やアルファベットでの強調に使う)などを予定している。

[追記] ・・・と書いたが、やはり必要があって時間があれば、「やるなら、今でしょ」というのが仕事でも勉強でも有能な人間の条件だ。ということで(マクロのまま書いて本当にパースされると困るので、敢えて半角スペースを挟んで書くと)、"[ [~] ]"(braces)で strong タグを使った要素へ変換し、"[ em [~] em]" で em タグを使った要素になるよう CMS を改定した。というか、実際には CMS を修正したのではなく、入力は入力のままデータに保存し、この /archive/note.html で本文のデータをファイルから取り出してページに出力する際に preg_replace() している。なので、データ・ファイルをそのまま吐き出すと "[ em [" なんていう HTML タグでもなければ有名な CMS のマクロでもない意味不明な文字列がデータに入っていることとなる。でも、これはこれで仕方ない。タグに置き換えてデータ・ファイルに記録してしまうと、編集画面で本文を表示するためだけに、再びタグをマクロ表記に戻すといった面倒臭い処理を増やすこととなるからだ。

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