Scribble at 2021-01-17 19:55:08 Last modified: 2021-01-17 20:55:50

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吉國恒雄『グレートジンバブウェ―東南アフリカの歴史世界』(講談社現代新書、1999)

講談社現代新書と言えば、当時としてはべらぼうに分厚い新書として知られた(いまでも十分に分厚い部類だ)『新書 アフリカ史』に目を通したことがあるのだけれど、残念ながら通勤電車の中や列車の到着を待つあいだに読むという、実はぜんぜん記憶に残らない無駄な読書(ザッピングとか速読と言われるイカサマと変わりない)でしか記憶に残っていないため、せっかくだから改訂版が出たことだし改訂版を読み直そうと思っていたところだ。

ともあれ、こちらの『グレート・ジンバブエ』は何年も前に買っていたものを放置していたので、いい機会だから読んでいる。いま1/3くらいを読んできて、非常に興味深い内容の本なのだが、幾つか違和感を覚える表現がある。その筆頭が「豹の丘伝統」というもので、10世紀頃までのアフリカ史を語るために必要な用語なのかと思っているのだが、どうも著者が何の定義もせずに使っているため、何のことを言っているのか皆目わからない。そして、さきほど図書館へ行ってきたついでに川田順造氏の編集になる『アフリカ史』(新版 世界各国史、山川出版社、2009)の目次や索引も調べてきたのだが、そんな用語は使われていない。ウェブのコンテンツを "panther, hill, ancient history, africa, tradition" などと検索してみても全く考古学のページがヒットしない。また、アフリカについてはフランス語圏だった地域もあるため、フランス語圏の歴史用語だけしかない可能性もあるので、ねんのため "Tradition de Panther Hill" などと調べてみても、同じようなページしか出てこない。ともかく "panther" と検索すれば、アフリカに関してはたいてい "black panther" という言葉にまつわるページしか出てこないのである。本当に「豹の丘伝統」なんていう歴史用語があるんだろうか。

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