2021年08月02日に初出の投稿

Last modified: 2021-08-03

今日は手短に(最初からすぐに読了できると思っていたので)『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』という本を1時間くらいで読み終えた。ありてい言って、半分は(なぜか「MBA」と書いているのだが)HBS (Harvard Business School)の話をしているだけなので、読み物としては面白いが役には立たない。金と暇があればやればいいというていどのことが雑然と並べられているだけである。

内容は、メモを取れだの遅刻するなだのという具合に、もちろん「基本」として職位に関係なく重要なことであるには違いないが、はっきり言えば新入社員向けの本である。中小企業であっても、役職にでもなれば、大半の項目はやっていて当たり前である。別にこんなことをしてもしなくても、我々は絶対にマッキンゼーやゴールドマン・サックスに採用されはしないし、HBS に留学などできはしないだろう。それゆえ、その手の話が大好きな朝日新聞の「労働貴族」の諸君ならともかく、書かれている項目の大半は既に実行しているであろう、僕らのような企業の役職者にとっては退屈と言う他にない。

そもそも、この著者はゴールドマン・サックスとマッキンゼーに数年ほど在籍した後に、30代でさっさと起業してしまっている。しかも、提供しているサービスは経営戦略のコンサルティングでもなければ金融系のブローカー業でもない、英語の研修だ。こうした人材は他にもたくさんいるらしいが、たかだか3年や5年で辞めても起業できるということは(コンサルや金融には、そういう人材が多い)、つまるところ人脈さえ押さえたら、あれこれと有利なところで起業できるし、世界中の中小企業の朝礼で連呼される訓示ていどの話を簡単に出版できるということなのだろう。ゴールドマン・サックスやマッキンゼーという人脈の他に、このような気軽さを説明できる理由など存在しない。

正直、よほどの天才でもない限り、3年ていどで経営戦略の何たるかを理解して他人に指導できる才能や知識や経験が身につくとは到底思えない。逆に、大学の学部課程に満たない年数で他人様の経営に口出しできるという、この手の外資系コンサルティング企業の傲慢さにこそ閉口させられる。なんだかんだ言おうと、しょせん MBA は "master" なのであって、最低でも経営か経済の博士号は取ってからものを言えと思うね。

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