Scribble at 2022-10-13 09:19:19 Last modified: 2022-10-14 10:06:17

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あれやこれやといきさつがあって、AWS で運用しているキャンペーン・サイトの構成は上記のようになった。昨年は CloudFront のオリジンとして Lightsail のインスタンスを使ったのだが、これはインスタンスのプランが高すぎたために月額費用がかかってしまったという反省があり、そして何度か書いていることとして頻繁に httpd のプロセスが落ちて 500 エラーが出るようになったので、この機会に Lightsail をやめて標準的な EC2 をオリジンとした。

それから前回はインスタンスの前にロード・バランサを配置していたのだが、キャンペーンの実績から言って Instagram のインフルエンサーを使ったアクセスの伸びなんて実際には些細なものであったから、バランサを使うまでのことはないと判断した。それに、今回はキャンペーンに参加するビジターが投稿したデータから生成したファイルをストレージへ保存するという仕様ではなくなり、フォームから投稿されたデータを Ajax として PHP に post してデータベースへ保存するだけとなったから、CloudFront からオリジンへのアクセスは最後の Ajax によるコールだけだ。それ以外はキャッシュでさばけるのだから、オリジンの EC2 インスタンスは低スペックでいい。

それから例によって EC2 インスタンスはディフォールトでは SMTP ポートが AWS 管理側によって遮断されているため、申請フォームから通信遮断を解除してもらう必要がある。Lightsail は最初からメール・サーバが動いていたのだが、ローカルから送信するのか、あるいは Amazon SES の SDK を使うのかというアイデアをいくつか試してみて、実装側のエンジニアが Amazon SES を知らないらしいとか、あるいは Amazon SES を使って余計なコストはかけたくないという事情もあって、今回は Amazon SES のような専用のメール送信サービスではなくローカルからメールを送信しようという話となり、いま AWS 側とあれこれやっているところだ。

この場合の注意として、通常の EC2 を使ってメールを外部へ送信する場合は、まずインスタンスに Elastic IP と呼ばれる IPv4 のアドレスを取得してアタッチする必要があるということだ。もちろん、EC2 インスタンスを作成すると IPv4 の IP アドレスは最初から自動で割り当てられるのだが、この IP アドレスを使ってはいけないらしい。恐らく、何らかの事故でインスタンスに割り当てられた IP アドレスをスパム送信元などと判定された場合に、ディフォールトで割り当てられた IP アドレスしかなければインスタンスを構築しなおすしかなくなるからだろう。よって、置き換え可能な IP アドレスをインスタンスに単独のサービスとしてヴァーチャルにアタッチしておけば、後から幾らでも割り当てをやり直せるというわけである。で、この Elastic IP というグローバルな IP アドレスを EC2 インスタンスへアタッチすると、EC2 インスタンスで最初に割り当てられた IPv4 のアドレスも上書きされてしまうため、当然のことだが Route53 などで設定している DNS レコードを Elastic IP の IP アドレスに修正しなくてはならないという点も忘れないようにしたい。

あと、メールで AWS の担当者とやりとりしているときに混乱させられたのが、あちらは AWS のドキュメントをまるごとコピペしてくるので、メール送信のために Elastic IP の通信制限を解除する手続きで必要な DNS の逆引き設定について、その DNS の逆引き設定を削除する手順も同時に知らせてくることだ。最初は、その返信メールを受け取ったときに、EC2 インスタンスへ連携する Elastic IP の逆引き設定を、どうして一連の手順で最後に解除しなくてはいけないのか意味が分からなかった。逆引きのレコードが Route53 に設定されているからこそ、その Elastic IP アドレスの通信を外側に向かって開き、メールを送信できるようにしているのではないのか。なんで最後に Elastic IP の逆引き設定を再び、更に削除する手順なんて書いてあるのだろう・・・いや、これは要するに AWS Console で可能な操作の内容を全て列挙するドキュメントをコピペしているだけなのである。

つまり、客にとってどういう返事が的確なのかを理解できないか関知していないのである。連れ合いに言わせればヘルプデスクの手間と給料を考えたら仕方のない対応で怒るほどのことでもないようだが、こういう品質では、そのうち文脈から的確な内容だけを返信する AI に彼らが取って代わられるのも確実であろうと思う。人がやることに不満があるなら、もっと性能がいい機械に任せた方がいいに決まっている。機械に熱意や誠実さなんてないが、しかし逆に休みがないと不平を言ったり給料が安いと手を抜いたりはしないのであって、高性能な機械は満足のゆく仕事を永遠にやり続けてくれる。

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