Scribble at 2022-01-24 10:56:18 Last modified: 2022-01-24 10:59:01
そろそろ寝床にも防寒対策として電気毛布を敷こうかと思っていたところ、連れに湯たんぽを用意してもらった。Fashy というブランドの商品で、1948年からゴムやプラスティック製品を造っているドイツのメーカーが手掛けたものだ。厚手のゴムで出来ており、注ぎ口だけプラスティックになっている。これに給湯器から熱湯を入れて、床に就く前に足元へ据えておく。これまで何年か電気毛布を使っていたのだが、あれは常に温かいので、放っておくと布団の中がどんどん暑くなってくる。すると、足を布団の外へ出したりしているらしく、かえって足元が冷えたまま起きることもあった。それに比べると、湯たんぽだと自然に冷めてはくるが、布団の中は体温などで一定以上は冷めないようになるため、足を布団から放り出すほどのことはないまま朝まで過ごせる。
試しに、湯たんぽで使うガス給湯器と水道代のコストを、電気毛布に使う電気代のコストと比較してみよう。まず、それぞれの機器・機材についての減価償却は考えないでおく。それからガス給湯器だと、給湯器にも常に使えるよう待機電力が必要で、うちが使っているタイプだと乾電池が必要だ。しかし、これは湯たんぽを使っていようといまいとかかるコストなので、これも除外しよう。したがって、「ガス代+水道代」と「電気代」の比較になる。すると、湯たんぽにかかっているコストは、1リットルぶんの湯で約2.5円だという。それに対して、寝る前から布団を温めるために電気毛布を点けて合計7時間だけ使用した場合の電気代は、0.7円らしい。よって、実は電気毛布の方が安いという。
でも、実際に寝床で使うとなると、他にも考慮しなければいけない要素は幾つかあるため、単純に「エコ」かどうかとか、安いか高いかというだけの指標で比較することはできない。まず第一に、上記でも述べたが電気毛布は温度が出力側での温度(発熱するカロリーの量)が一定なので、何時間か経過すると暑くなってしまう。だからといって3時間で止めたり、熱量をコントロールする高級な商品に買い替えると、それまで考慮していなかった減価償却だとかキャッシュフローという問題が起きる。そして、「エコ」というだけで節約・節電商品にホイホイと気軽に買い換えられるような家計の人々を想定したロハスやエコなんてスローガンは、金持ちが率先して世の中を良くしていくという原始時代の啓蒙主義や貴族主義を無自覚に肯定する錯覚である。現実には、そもそも電化製品には必ず組み立てミスや配線の劣化などによるショートや漏電などの重大な事故を引き起こすリスクがあり(Raspberry Pi のような機器にすらある)、かたやゴム製品にも材質の劣化による破損というリスクがある。前者は最悪だと火災に至るし、後者も最悪だと足元に熱湯が漏れて火傷となる。しかし、いずれにしても、色々と考えて今年から湯たんぽにしようと思った。
まず電気毛布に比べて1日あたりのコストが1.8円かかるわけだが、これを使う1シーズンが3ヵ月だとして、1.8 x 30 x 3 = 162円を僕の(僅かな)手取りから捻出するのに、どれだけ働かなくてはいけないのか(こういう考察を控除前の年収で計算するものではない。サラリーマンにとって最も大切なのは、会社にとって最も大切なのが営業利益であるのと同様、年収などという名目の金額ではなく手取りである)。控除後の額(手取り)を年間の就労時間数で割って1分あたりの金額を出してから162円と比較すれば、だいたい6分ていど働けば湯たんぽを使い続ける1シーズンの余剰コストを捻出できる。もちろん、僕が6分だけ仕事さえすれば、「エコ」だの何のと言ってる成金左翼どもや地球環境、あるいは SF 臭がして嫌な言葉遣いなのだが、「未来の子供たち」とやらに申し訳が立つのかという問題は他にあろう。しかし、これこそ申し訳ないことだが、むやみに電化製品を使うことに依存するという悪影響を考慮したり、あるいは先にも書いたとおり、当家で使っている電気毛布だと逆に布団の中が暑くなってきて足を出してしまうという問題なども考慮すれば、湯たんぽに替えて良かったと思う。
それはそうと、この fashy のサイトだが、ヘッダー部のカルーセルが切り替わると、下のメニューまで切り替わってしまい、文章を読む暇もなくなる。こういうのも、僕らのようなプロのデザイナーに言わせれば UI 設計のミスだ。読む暇もなく切り替えるようなインターバルの設定にしてはいけないし、読む暇を与えなくていいなら、このメニューに表記されている文章は余白を埋めるだけのどうでもいい飾りなのかという話になる。