Scribble at 2023-11-16 14:30:18 Last modified: 2023-11-16 14:30:54
2015年の論文だ。地球上に樹がどれだけ生えているかを推定したという。それによると、約1兆4,000億本ていどがあり、そのうちの半分は亜熱帯にあって、あとは半分ずつ温帯と北方にあるという(南半球は陸地が少ないので、北半球のシベリアやカナダなどに比べて南極に近い地域は殆ど数に入らないのだろう)。そして、人類がこれまでに半分くらいの木を切り倒してしまったらしいし、その消費は現在も一年間に150億本ずつ減っているというから、やはりエネルギー資源なり他の用途としても何らかの転換をしていかないといけないのだろう。
なお、こういう論文が出ると思うのは、こういう論文を反証しようとして実際に木を数えるような人はいまいということだ。つまり、こうした論文の反証が可能だとすれば、その推定方法や推定にあたって採用した仮説なり条件に対してしかないだろうと思う。実際、いま現に木を切り倒している世界中の伐採業者の手を止めて木を数えるわけにはいかないのだから。それに、理屈として可能でも、それを実際にやるための何らかの補償金とか、世界中で数えさせる人員のコストとかを考えると、とても現実的な調査とは言えまい。更には、そこまでして厳密な数を求める科学的かつ社会的な価値もないのだろう。なぜなら、こうした調査によって語りうる地球環境とか資源の管理とか開発といった問題は、木の数が理論値と比較して数千本や数万本、いやもっと大きなオーダーでもいいが、そういう誤差があろうと殆ど関係ないからだ。