Scribble at 2023-11-16 15:17:27 Last modified: 2023-11-16 15:19:42

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The Decline of Usability: Revisited

僕もこういう話題は取り上げてきているつもりなのだが、どうも一向に改善される見込みはない。そして、これはデスクトップ・アプリケーション開発で OS ごとに提供されている SDK での UI デザインのレギュレーションが軽視されているという事情にあるのだろうとは思う。当サイトでも何度か書いているように、昨今のデスクトップ・アプリケーションは Atom や Firefox に代表されるように、ウィンドウの UI を制御するペインを確保するところまではレギュレーションに従っていても、そこから先の本当のフロントエンド部分は自前の UI 用のエンジンで JavaScript と CSS を使っていたりする事例がたくさんある。簡単に言えば、アプリケーションのユーザ・インターフェイスに WWW ブラウザを埋め込んでいるようなものなのだ。それゆえ、はっきり言えば API の範囲だけで組んであるアプリケーションに比べたら圧倒的に遅いし、描画も安定していない。確かに、拡張性があるし、ユーザ自身が UI を定義できるといった利点はあると思うが、その代償として互換性のない UX や続々と発生する描画エンジンのバグなどに悩まされることになる。そして、Atom や Brackets のような、僕らが仕事で使うようなテキスト・エディタですら、それら専用のカスタマイズ方法を覚えても、数年もすればプロジェクトが放棄されてしまう。グラフィカルな環境で仕事をしている人々の多くは、こんな仕事にとって本質的でもなんでもない雑事に振り回されているにもかかわらず、生産性がどうのこうのと喚いているのだ。

したがって、結局は昔から安定した事業として開発が続けられている Eclipse や Visual Studio といった環境で仕事を覚えるということがスタンダードな選択になるのは当たり前である。しかし、それでもこれらのアプリケーションですら正規の UI デザインについて自律した一貫性を維持しているのかどうかには疑問がある。特に、マイクロソフトは自社で定めたデザインのベスト・プラクティスを無視しているのではないかという UI があったりするし、もちろん OS を新しくリリースするタイミングで規準そのものを変えてしまったりするので、安心はできない。

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