Scribble at 2023-05-19 15:00:18 Last modified: 2023-05-19 16:38:47

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Form Design Patterns ―シンプルでインクルーシブなフォーム制作実践ガイド

WordPress 用のプラグインとして有名な Contact Form 7 の開発者である三好隆之氏のブログ記事で紹介されていた本だ。そういや、ここでも何年か前にウェブ・フォームの UI やセキュリティについて記事を書こうかと言っていたのだが、実際に本として出してくれている事例があるので、内容の可否はわからないにしても、ひとまず良いことだと思う。

もちろん、本が一冊くらい出たていどのことで記事を書く意欲がなくなるわけでもない(もともと大して意欲はなかったが)。こういうことは微分法におけるニュートンとライプニッツの争いといった、誰が最初にやるかの問題が重要なのではない。ウェブ・フォームの制作やセキュリティについてまとめたい、といった思い付きなら誰でもするだろう。そして、僕らのようにデザイナーでもあり、プライバシーマークの運用を担当するレベルの chief privacy officer でもあり、そしてプログラマやサーバ・エンジニアでもある、フルスタックとかいうセコい兼任なんて歯牙にもかけない「スーパー器用貧乏」とも呼ぶべき神のような人材であれば、実際にそういう内容の文章をまとめることはできるだろう。僕がやってないのは、単に優先順位が低いからでしかない。優先順位が低いから時間を確保しない。すると、こうやって既に書籍まで出版されていることにも気づかないわけである。もちろん、時間がないだけだと言って、「こんなのは俺でも書ける」などと傲慢なことを言うつもりはない。僕は書籍まで書くほどの意欲は最初からなかったし、頼まれても書かないと思う。ちゃんとウェブ・フォームのデザインや開発上の注意について関心を払い、そして実際に手を動かした人々を、まずは賞賛しつつ後押しすることにしたい。

もちろん、個別の小さな話題についてはここでも何か書くだろう。この落書きでも書くだろうし、もしかすると論説としてまとめることもありえる。こういう話題はたくさん書かれて比較されたり吟味されるべきであって、何か本が一冊でも出版されたら、それが基本書のように扱われるのは好ましくないからだ。もちろん、その本が観点や論点や議論の基準としてふさわしい内容があるとは限らないからである。誰でも考え付くテーマについては、それこそ馬鹿でも暇さえあれば文章を書ける。それは、WELQ をはじめとするコタツ記事を無数に書いている都内のクズ学生や(それなりに切実な家計という事情はあろうが)主婦の雑な仕事を利用する自称メディアがどれほどあるか、既にみなさんはウンザリするほどご存じだろう。

・・・と書いてから、この本を改めて眺めていると、これ翻訳じゃん。なんだ、オリジナルの邦書じゃないのかよ。洋書なら、20年くらい前にも Usable Forms for the Web という本が出ている。僕がウェブ・フォームについてまとめようと思ったのは、20年くらい前にこの本を知ったからだ。

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