Scribble at 2025-01-23 19:56:32 Last modified: 2025-01-23 21:59:18

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【ヨハネスブルク=笹子美奈子】第2次トランプ政権には実業家のイーロン・マスク氏が新設の「政府効率化省(DOGE)」の共同トップとして政権入りするが、出身地の南アフリカでは要職就任を歓迎する声はあまり聞かれない。マスク氏個人や企業による地元への貢献が見当たらないとみられているようだ。

マスク氏は「億万長者なのに地元に何も」…ビル・ゲイツ氏とは対照的、出身地・南アで評価厳しく

これ、本文をちゃんと読めば誰でも奇妙な印象を受けると思うんだよ。べつにイーロン・マスクをサポートする意図はないけれど、こんなの当たり前じゃないか。だって、イーロン・マスクは南アフリカに住んでるときは虐められて転校までしたんだろ? そしてカナダに移住したってことは、マスクは南アフリカに何の恩義も愛着もないだろうし、なんでそんなどころに、貧しい国だからといって寄付したり学校を建てなきゃいけないんだよ。ふざけんなよ・・・って思ってるだろう。そらそうだよ。それに加えて、マスクにしてみれば南アフリカでの評判なんてどうでもいいと思ってるんじゃないの。アパルトヘイトがあった時代や、あるいはマンデラさんが生きていたころだったらともかく、いまじゃ陰謀論にとりつかれた頭のおかしい大統領を国民自身が打ち倒せないような国に、或る意味では逆戻りしてしまったわけだし。

で、僕は南アフリカでマスクについて不平を言ってる人たちには、そういうことだけでなく、或る種の不気味さを覚える。なぜなら、クリスチャンによくある社会貢献とか社会に還元するという発想を、自分に都合がいいところだけ利用してるように思えるからなんだよね。マスクが単に金持ちだってことしか情報として入ってなくて、彼がどうして南アフリカを出ていったのかは知ろうともしない。だから、マスクについて、貧しい我々を見捨てて大金持ちになったやつだとしか思ってないんだろう。

宗教人類学のような観点から言えば興味深いことかもしれないが、僕はそんな学術的な興味よりも、こういう無知の上に成立する思考なるものが凡庸な人々の「したたかさ」なるものだと思えば、そら恐ろしいものだとしか思わないよ。なんだかんだ言っても理屈とか思想とか、そんなものよりも、明日の飯を誰が食わせてくれるのかってことしか考えてないんだから。

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