Scribble at 2025-01-24 15:55:26 Last modified: 2025-01-25 11:36:44
いまだに僕は「リアルな」電卓を愛好していて、正直なところスマートフォンの画面で操作する腑抜けとしか言いようがない電卓には興味がない。確かに音も鳴らせるしフィードバックのバイブレーションだって設定できるが、この凹凸がない画面をタッチするという感触そのものが「計算している」という生理的な実感を伴わない空虚な操作に思えてくるからだ。なんなら伝票算までやってた算盤を勉強し直したいくらいだ。だって、どのみち電卓でも(そして生活や仕事でやる計算の大半は、実のところ)せいぜい四則演算ができればいいからだ。
しかしながら、その電卓を使っていて困惑させられることもある。その筆頭は、「%」と「÷」を押し間違えることだ。記号としても明らかに似ているし、ボタンが配置されている場所も近い。正直、百分率なんてものは掛け算すればいいだけなのだから、なんでこんなものを専用のボタンにしているのか、いまいちわからない。140% の計算が 1.4 を掛けることだとわからないような人が、そもそもなんで電卓を扱えるのやらとすら思う。
それから、僕は生まれてからこのかた電卓と呼ばれる機器を20種類以上は使っているはずなのだが(もちろん、中学時代に大流行して学校への持ち込みが禁止となった「ボクシング電卓」も含む)、いまだに「AC」とか「C」とか「CE」あるいは「MR」だったか、その手のボタンの意味がわからない。誰にも電卓の使い方なんて尋ねたことはないし、自慢するようなことでもないが取説なんて買ったばかりの電卓を包んでる包装紙だとしか思っていないので一行も読んだことがなく、意味がわからないのだ。そして、試すなんてこともやらない。なぜなら電卓を使うときは計算を間違えたくないときに手を伸ばすので、試しに CE だか MR だかを押して妙ちきりんな数値が出てきたら困る。そして、用が終われば即座に収納してしまうものなので、必要な計算が終わった後になにか試してみようという気も起こらない。
計算内容をクリアするにはどうやっているのか? 電源を切ってるけど、それがなにか? ああ、そういや最近は太陽電池で充電するから電源ボタンのない電卓も増えたので、AC だか C だかのボタンを押す習慣はできた。これでやっと小学生なみの電卓ユーザになったのだろうか。こういう次第なので、興味はあるのだけれど関数電卓というものは買う気が起きない。UI が格好良いと思って、関数電卓のアプリをスマートフォンにインストールすることはあるけれど、ものの見事に数時間ほどで再び消してしまう。使う予定が全くないからだ。FORTH の勉強がてらに逆ポーランド式の HP のヴァーチャル電卓までインストールしたことがあったが、それも使ってみて「こりゃ駄目だ」と思い直して数分で消したことがある。