Scribble at 2020-05-20 12:11:38 Last modified: 2020-05-20 14:44:30

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富士通株式会社は、親指シフトキーボード3製品、および日本語ワープロソフト「OASYS V10.0」、日本語入力ソフト「Japanist 10」の販売を2021年中に終了し、2024年または2026年にサポートを終了すると発表した。

富士通、親指シフトキーボードやOASYSを販売終了

残念なことに、Nicola 配列も終わりか。標準的なキーボードのマッピングをカスタマイズして、疑似的に親指シフトの配列にできるソフトウェアもあったのだけど、ああしたものの開発も止まっているらしく、これも Sony のβ版ビデオ・テープ規格と同じで、高品質の商品が普及するとは限らないというマーケティングの良い遺産となるのだろう。ただ、何度も繰り返して書いていることだが、キーボードの配列と IME という二つの悪質な環境のせいで、日本語話者のテキスト運営環境は劣悪な生産性に留め置かれている。もちろん、文字を打つこと自体で表現が完了する表音文字の文化と比べて表意文字には同音異「字」語が数多く存在するので仕方のないことではあるけれど、まだまだ日本で入力デバイスやテキスト運用のソフトウェアに対するバックアップや要求が弱いと思うので、普段は IME の設計者なんて IT 産業の底辺レベルがやっている仕事なんだろうとか馬鹿にしているわけだが、頑張ってもらいたいとは思う。キーボードについては、これでひとまず日本語の入力方法としてベターな選択肢が一つなくなり、ローマ字入力などという愚かな方法しか残らないという必要悪の世界に留まることになった。僕はこういう世界に甘んじる凡人の集団に足を引っ張られたくはないが、せめてキーボードや IME つまりは言語の運用環境は現状が最善というわけではないということくらいは、これからも訴えていきたい。たぶん、僕が死んだ後でも凡人はローマ字入力でロクでもない文章をタイプし続けるんだろうけど。

本当に。いまこうしてキーを叩いていても、明らかに僕の思考の速度に《成果物としてのテキスト情報の出力》が付いてきていない。なぜなら、指の速度に問題があるというよりも、指を不必要に数多く動かさなくてはいけないからだ。そして、更に入力した文字を「変換」などしなくてはいけないのだから、そろそろ新世代の漢字廃止論やローマ字、あるいは仮名表記の運動が起こらないとも限らない。

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