Scribble at 2025-05-31 20:39:02 Last modified: unmodified
先日の帰路に立ち寄ったジュンク堂で見かけたまま、買おうかどうか迷ったのだが、結局は後からアマゾンで注文して読んでいる。高校古文などの学習用に販売されている副読本の類でしか知らなかったので、こうやって「古典」の一つとして取り扱われている体裁では、初めて読むことになる。もちろん、小中学校の頃には夏休みの宿題で暗記させられたこともあるのだが、殆どの歌は覚えていないことに、あらためて驚かされた。
内容については、たぶん好みが分かれると思う。僕の印象では、歌の内容についてよりも「誰が詠んだのか」という歌の作者を推定する議論が大半を占めていて、やや期待を外れている。また、文法や語句の説明も学習用の副読本などに比べると圧倒的に不足しており、基本的に大学の国語学科を出ているていどの素養は必須なのであろう。以上の二点から、国語学科も出ていない者が歌の内容に没入して味わうための手引としては著しく情報が不足している。しかし、採録されている歌と詠み人は、どういうわけなのかウェイトの高い書体で印刷されているし、それぞれの歌に対する解説は「解釈」としてまとめられるという、中途半端に子供向けの参考書みたいな組版になっているのが、やや失笑を誘うものがある。
ともあれ、出発点としては十分に信頼できるところなので、カラー印刷の子供向け副読本でしか詳しく百人一首を読んだことがない人には、一も二もなくお勧めできる。