Scribble at 2025-09-03 10:07:07 Last modified: unmodified

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使い古した Google Pixel をウェブ・サーバとして再利用するという話なのだが、もちろん色々なことを考えさせられる事例だ。

まず最初に、これを Android 端末、つまりはスマートフォンに入っている Linux をウェブ・サーバとして整備し再利用する技術的なプレゼンテーションとして眺めると、これはこれでもちろん面白い。もとがスマートフォンであるから、その OS なりハードウェアは挙動に調整が加えられていて、ジャンク屋から集めてきた部品で組み立てるようなマシンに比べたら Linux マシンとしても遥かに安定しているだろう。最初から Bluetooth や Wi-Fi での通信がサポートされているので、ブートローダの設定ファイルを書き換えて root を取ってしまえば無線のキーボードを使っていくらでも Linux として運用できる(そもそも Android には最初から開発者向けの設定というのがあって、ブートローダによるロック解除ができるようになっている)。インターフェイスの USB も、電源供給タイプとデータ転送タイプを兼用しているコネクタであるから、USB ケーブルを接続すれば電源とデータ通信の両方が有線で安定して利用できる。

しかし他方で、こういうアプローチを技術的に面白いと言っているだけでは不十分な気もする。まず、スマートフォンというデバイスはバッテリーの電源で動作することを前提にハードウェアが設計され組み立てられているので、OS でどう制御しようともバッテリーを外して USB ケーブルだけで電源供給しても動作しない(全ての機種がそうなのかは知らない)。よって、バッテリーの耐久性に依存するウェブ・サーバであり、しかも連続して稼働させるなら USB ケーブルを接続したままでバッテリーを駆動させるという、バッテリーの耐久性にとって最も良くない運用の仕方をしなくてはいけない。そもそも長期間にわたって運用すると、バッテリーはどうしても発火の危険性があるため、これを安定したウェブ・コンテンツの運用プラットフォームと見做すことはできず、あくまで POC なりプレゼンのための実装としてしか評価できない。

また、そもそもスマートフォンをウェブ・サーバとして運用することが、ウェブ・コンテンツを運用する仕方の選択肢になるなどとも思えない。そういう、刹那的とも言って良いハードウェアとネットワーク構成で deployment したハードウェアでコンテンツをやりとりしてよいのは、はっきり言えばテロリストや犯罪者くらいのものだろう(MR. ROBOT というドラマを覚えている方はいるだろうか)。

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