Scribble at 2020-03-05 12:13:47 Last modified: 2022-10-02 22:27:45

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ノートの作り方は、もちろん僕らが小学生の頃から色々な人から教えられたり、自分で工夫してみたり、何かの本を読んだり、あるいは友達のノートを見せてもらったり、そして現代では SNS に投稿されていたりするのだが、ともかく様々な仕方で実際に試したり参考にしてきている。それだけを熱心に調べたり考えている人はさほどおらず、だいたい高校生くらいになると自分なりの、そしてたいていは出鱈目な絵日記やメモ書きみたいな体裁になるようだ。そして、よく言われるのが「ルーズ・リーフを使うな」という古臭い説教である。そういう人々に限って口にするのが、要するに「ルーズ・リーフを使うとノートが『ルーズ』になる」という、落語のネタにも使えないような馬鹿げたセリフだ。寧ろ着脱や入れ替えがしやすい("not brought together in a bundle, container, or binding" -- Merriam Webster)ように作られたのが "loose leaf papers" なのだから、そのような指摘は殆ど同語反復であって批判になっていない。"loose" という単語に lacking moral restraint という意味合いはあるが、"lack" とか "moral" というニュアンスは特別な脈絡だけであって、通常は好きなように扱えるよう任せられた(つまり「タイトではない」)という意味合いで使うものだ。

とはいえ、従来のしっかりアセンブルされたノートを使うときでも、「後からたくさん書き加えたいことがあればどうしよう」と悩む必要はない。例えば、或る本を教材として丁寧にノートを取るとして、50枚のノートを20枚ぶんだけ使ったとする。後から同じ分野で他のテキストを副読本として利用したときに、既に書いている内容への注釈として参照したいなら、一つの方法は大きな付箋紙に注釈を書いて貼り付けるというものだが、これをするとノートの前半にだけ付箋紙を貼り付けた記載内容が固まってしまい、ノートの後半が《デッド・スペース》になってしまう。それゆえ、僕はノートを取るときは左右や下に余白を残しておき、後からどんどん書き足していった追加のメモだとか他の参考書から抜き出した引用とかに関連付けしやすいよう、矢印と、それから追加のメモを書いた日付や通番を余白に書いている。なので、僕は後から付箋に書いて貼り付けるという習慣はない。それにそもそも、そういうものを貼る余白なんて本文を記載する範囲に確保していないし、上部に余白を取っているノートは多いが、上部に付箋を貼ると、左側だとタイトルを書いていることが多いのでタイトルが読めなくなるし、かといって用紙の右側にばかり付箋を貼ると、ノートが付箋を貼れば貼るほどすぐに分厚くなって扱い辛くなる。

寧ろ、僕が50枚などと決まった枚数のノートを使い始めた小学生の頃に不安を感じたのは、どんどん書いていってページが足りなくなったらどうするのかということだった。でも、これも実際にノートを使い切ってすぐに対処できた。簡単に言うと、二つの方法がある。一つは、もちろん単純に二冊目を使い始めるということだ。ただし、それぞれ単独の冊子なので、二冊をまとめて持ち歩くのはいいとしても、片方を汚したり失うかもしれないので、大型のパンチを買ってもらった。そして、もう若い人は使ったことがないと思うが、昔のドラマや映画で会社の経理係が手にしている帳簿だとか、警察で刑事が調べ物をしているときに眺めている昔の調書とか、それから学校で出席簿とかに使われていた、紐を使う黒い綴じ込み表紙で二冊のノートを挟む。僕が小学生だった40年前ですら「古臭い」と友達から言われた体裁だ。

そして、ページが足りなくなった場合に実行した二つ目の方法は、もちろん二冊目を買うのだけれど、一冊目と一緒に貼り合わせてしまうというものである。上記の綴じ込み表紙でも構わない場合はあるのだが、やや表紙の方が大きいので嵩張るし、表紙が硬いのでバッグに入れにくい(入ってもバッグを内側から表紙の角で引っ張ったり、場合によってはナイロンのバッグを内側から破くこともあった)という問題があった。それゆえ、一冊目の裏表紙と二冊目の表表紙を貼り合わせるということを考えたのである。ただ、これをすると貼り合わせたところが硬くなるのでノート全体も硬くなり、ページをめくり辛くなる。そこで、ノートを綴じている根元あたりまで貼り合わせる表紙を切ってしまい、最低限の面積だけを残して貼り合わせてみた。最初は紙用のボンドを使っていたのだが、ボンドは実はノートのように頻繁に動くような部分を貼り合わせるのには向いていないらしく、「強力」と書かれた接着剤でも数か月たらずで割れるように剥がれてしまう。なので、幾つか試した結果として、製本用のテープで補強しつつ貼り合わせるのが良いようだった。短期間だけなら、両面テープでもいい。この方法で、僕はいまでも勉強に使った小型のノート(新書版で薄い3冊綴りの「MDノートライト」)を合計で8冊ぶん、貼り合わせて使っている。上記の画像が、その貼り合わせたノートである(加えて新書用のブックカバーを使っている)。なお、Prisma というアプリケーションで写真を加工した。

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