Scribble at 2022-10-12 08:10:01 Last modified: 2022-10-12 12:13:23

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「EP8000 S1014」は、Power10プロセッサ(3.0GHz(max 3.90GHz))を4コアまたは8コア搭載するエントリーモデルです。メモリーは最大1,024GiB、PCIスロットはI/Oドロワ-を接続することで最大10スロットまで増強できます。システム装置はラックマウント型とタワー型の2種類を用意しており、小規模の業務システム、データベース、Webサーバなどに対応可能なモデルです。

EP8000 S1014(製品概要)

大半の方は業務用のコンピュータについて興味はないだろうし、どういうところで販売されたり使われているのかも知らないはずなので、予算感も含めて上記のページを一例としてご紹介しておきたい。そして、業務用の機器というものが、たとえ民生モデルであっても家庭用のモデルとは桁違いのレベルで販売されており、そしてそれらのサポートや運用にかかるコストも大きいということが分かると思う。そして、もちろんだがこれらを運用するエンジニアの給料も、新卒ですら僕の給料よりも高いのが当たり前だし、スキルや知識としても相当な水準を要求される。たぶん日本でも、旧帝大に近いレベルの大学にある理数系学科で修士号を得ていることが最低条件だろう。

なので、たとえば当サイトで公開している論説とか Notes の落書きなんて、そういうレベルのエンジニア(基幹系、勘定系、あるいはインフラ企業のシステム開発に従事する人々)からすれば子供のお喋りみたいなものであり、これはアメリカや中国のような IT 大国でなくとも実質的な差というものがある。おまけに、彼ら(念のため書いておくが、「彼女」というのは明治時代から使われるようになった流行語にすぎないので、もともと「彼」という言葉で女性を含めてもよい。当サイトで「彼」と書いているからといって、それが男性であると想定しているとは限らない)は社内や自宅ではありふれたスペックのコンシューマ向けのコンピュータを使っているだろうから、上記のような機器と両方の経験をもっているが、僕らは上記のようなコンピュータを使う経験が殆どないため、知識や技術だけでなく経験という点でも開きがある。ふつうのウェブ制作会社のエンジニアだと、そうなる。

ただ、僕はたまたま受託制作もやっているネット・ベンチャーに入社したので、このクラスのサーバに触れる機会が何度となくあった。実際に 2U で500万円ていどの安物を使ってみるだけでも分かるのだが、社内で自分が使っている Windows マシンにローカルの MySQL をインストールして使うよりも、データ・センターのラックに設置した安物のデータベース・サーバにインターネット経由でリモート・アクセスする方が、レスポンスは段違いに速かったりするほどだ。また、ファイル・サーバとして5年リースで使っている300万円ほどの Windows Storage Server で動くマシンは、これも業務用のサーバとしては安い部類だが、5年に渡って稼働し続けていても殆どレスポンスに劣化がないし、Windows のユーザとしてはお馴染みの再起動すら年に1回もしない。

僕は当サイトでたびたび有能だの「神」と呼ばれていただのと適当なことを書いているが、もちろん技術や知識や経験として僕を遥かに凌駕している人々が、このような辺境国家にすらたくさんいることを知っている。実際に銀行としか取引がない開発会社とも付き合う機会があったし、NTT DATA のような企業の人々とも関わって、ウェブの受託制作会社で実装している「ウェブ・アプリケーション」なんてものは、しょせん僕のような人間でも単独で決済システムを構築できるくらいの仕様でしかない玩具だとわかっているのだ。

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