Scribble at 2022-06-24 07:29:17 Last modified: 2022-06-24 21:31:01

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何かプログラミングや「言語」について検索すると、この手のサイトが上位にたくさん出てくるからこそ、先日のようにオンラインのチュートリアルの 99% はゴミだと書いているわけだけど、99% と書いてるので、当然ながらもっと下の検索結果も含めて、たいがいがゴミである。

そもそも、プログラミングの初心者に Ada だ Eiffel だ Erlang だと、マイナーで、コンピュータ・サイエンスのプログラミング言語論でも学ばない限りは「言語」としての公平な評価などできない話題を、オタク趣味のウィキペディアにも劣るつまらない説明だけを並べているだけだ。結局は学ぶ人のことなんて考えていない、要するにこういうサイトの SEO というスケベ根性で雑多なキーワードを使えるネタとして扱っているだけなのだ。このサイトの運営者は、ここで扱っているプログラミング言語の実装経験なんて殆どないだろう。

書いている人間の質が悪いと、「わかりやすく解説」などと自分で言ってるだけで何も分かりやすくないし(つまり物書きとしての訓練もつんでおらず、自分勝手に雑な説明や言い換えが「分かりやすさ」だと誤解している、言わば〈分かりやすさのアマチュア〉が書いているからだ)、それどころか学問としてのコンピュータ・サイエンスという体系的な知識が欠落していることも多く、書いている人間の自分勝手な理解でしか説明していないことも多い。加えて、実装経験がない、ウィキペディアや他の記事や本を読みながらページを乱造して SEO のスコアを上げることだけに血道になっているような、実はただのアフィリエイターとか、技術本の執筆依頼がほしい「なろう」系のギラギラした野心みたいなスケベ根性だけの人間が書く文章というのは、絶対に初心者にとっては有害である。(僕に言わせれば、あの結城浩氏のような「有名人」が乱造している数学の本ですら、たいがいは独りよがりな走り書きの一種だ。まぁ、村上陽一郎氏にしろ、クリスチャンの書く通俗本とは中世からこのかたそうしたものだがね。信じる者は救われる。)

ちなみに、上記のページでは Eiffel(エッフェル)というプログラミング・ツールを付け焼刃で紹介しているが、Google で僕が検索結果の上位50位くらいまでを調べた限りで言えば、日本語で書かれたウェブ・ページで Eiffel というツールを適切かつ丁寧に解説したり紹介しているウェブサイトは、およそ存在しない(クズみたいなメディアの記事とか、関連する本の未熟な読書感想文とかはいくつかあるが、そんなものはどうでもよい)。そして、そういう実情である原因の一つは、やはり道具としての採用事例が圧倒的に少なく、実務家として、あるいは解説者として、有能な人物が他のツールに比べて少ないからだろう。もちろん、開発において特定のツールが使われたり使われなかったりする事情には多くの条件や事情があるから、例えば Java とか C++ に比べて圧倒的に採用数や実装事例が少ない(それは明白だ)というだけでツールの良し悪しを軽率に語るものではないが、現実に日本で Eiffel を使った実装の事例なんて数例もあれば大したものだと思う。(よく、「数えるほどしかない」などと言うが、数学的には1億でも1兆でも可算有限個だし、「指折り数えるほどしかない」と言っても、やろうと思えば指を折りながら1億でも5億でも数えられる。)単純に言えるわけではないと思うが、やはり道具としての採用数が多くなれば、解説のサイトやページも増える。そして、その中に僕がここでご紹介するに値するような素晴らしいサイトも増える可能性があるだろう。そういうサイトが皆無だとは思わないし、現に C や Java や PHP など、色々なツールについて数多くの優れたサイトがあることは知っている。

簡単な事実だけ書いておくと、Eiffel は ISO/IEC の国際規格として規格書が無料で公開されている唯一のプログラミング・ツールである。他にも国際規格として C++ や ECMAScript (JavaScript) などが策定されているが、どれも規格書は〈それなりのお値段〉で販売されている。もちろん、それらのコピペ翻訳を量産しているジャパンとかいう辺境国家の産業規格ともなると、無償で公開されているプログラミング・ツールの規格など一つもない。なんにせよ、Eiffel について言えば、「言語」の国際規格という決定的な仕様を無償で学べる大きなチャンスがある(英語で読めるなら、だが)。それでも Eiffel は解説ページや解説記事としてすら普及しないのであるから、こういう規格書がツールの普及よりも先にオープンとなっていても、実は殆ど意味がないのだという事例にもなっている。しょせん、「プログラミング言語」は本質的に学術研究の道具であるか、もしくは金儲けの道具であり、それ以外のホビーという関心だけで普及するようなものではないのだ。

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