Scribble at 2021-09-08 09:00:16 Last modified: 2021-09-09 00:25:31

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上の画像はウィリアム・フィネガンの Barbarian Days: A Surfing Life という本の表紙だ。Puritzer 賞を受けている。もちろん内容の是非や価値と表紙の装丁なんて何の関係もないわけだが、しかし商品としては装丁が最初の判断材料となるし、そうでしかありえないので、こういう事例もあると知っていなければいけないという参考にしたい。

何が言いたいかというと、僕の判断基準だと上記のような表紙をアマゾンで見かけたら、これまでは「Wikipedia からコピペして Amazon Direct Publishing (ADP) を使って制作したクズ出版物」だと思っていたからだ。日本にも(場合によっては本当に無邪気というか善意すらあって)こうしたクズを丁寧に作ってバラ撒いている迷惑な連中がいるものだが、もちろんバカや悪人なんて海外にも同じようにたくさんいる。とりわけアマゾンは、一時期のヤフオクや各種のフリーマーケットのサービスほどではないにしても、昔からメモ帳スパムや数独スパムが大量にあるし、著作権の切れた古典や資料の類を電子書籍として「出版」する連中もいる。呆れることだが、これを「良いこと」だと思ってやっている者が本当に世界中にいるのだ。こういう奴らが、一つ間違えれば他人に壺を売りつけたり、あるいは爆弾を腹に抱えてレストランに突撃したりするのだろうな。原理原則に立ち返って思考する力がなく「善意」しかない人間なんて、しょせんは刹那的な価値判断によって行動する善意ロボットにすぎない。

なんにしても、Penguin Books が出版する本の装丁としては胡散臭いという印象があるのだけれど、こういう表紙で出版されることもあると知っていれば、即座に「クズ」扱いしなくて済む。もちろん文字だけの装丁でも、タイポグラフィとして優れていれば「クズ」扱いしない程度のデザインの見識や経験はあるつもりだ。よって、上記はタイポグラフィとして僕は評価できないから「クズ」と見間違うのだ。ペンギンの編集部は、文字だけの装丁を採用してもいいが、もう少し有能なデザイナーを雇うべきだ。

原理原則と言えば、この本は Puritzer 賞を受けているらしいが、中身がまともだとは限らない。今回は Penguin Books でもこういう装丁の本を出版しているという一例として紹介しただけであり、この本が受賞歴だとか Penguin Books の出版物であるという事実と無関係に読むべき本であるかどうかなんて知らないし、興味ない。

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