Scribble at 2022-03-11 12:26:12 Last modified: 2022-03-11 15:25:56
まさに上記で引用したとおり、自分の仕事道具(遊び道具でもいい)をまじめに管理したりメンテナンスする気がない人々は、どんなに高額なセキュリティ・ソフトやアプライアンス機器を購入していても、たやすくウイルスに感染してしまいかねない。これは、生物的な意味での COVID-19 や梅毒のようなものについても、マスクとか「大人のおもちゃ」を雑に扱っていると、まったく同じリスクが当てはまる。
AV Test と呼ばれるセキュリティ・ソフトの比較試験サイトでも結果が出ているように、いまや MS Defender は有料のセキュリティ・ソフトと同じ結果が出ており、それどころか弊社で標準のセキュリティ・ソフトとして使ってきた ESET よりも高いスコアを出しているほどだ。いまや大手の広告代理店と仕事をしているウェブの制作会社は(ロシアからの攻撃うんぬんの前から)セキュリティ対策を求められていて、どういうわけか有料のセキュリティ・ソフトを買って使わないと〈格好がつかない〉という状況になっていたわけだが、これこそ「セキュリティ劇場」(情報セキュリティ対策をしているフリをしてるだけで実効性がない裸踊りのこと)というものだ。いよいよ結果が出ているのだし、ESET のライセンスを買い続けるのは情報セキュリティ事務局という部署の立場から言っても、正式にやめることにしよう。だいたい、有償のソフトなら何か事故があったときにクレームをつけられるとか補償を請求できるとか、そういう御伽噺を信じている会社や人なんていないだろう。ゲームでも、大規模な障害が起きたところで「詫び石」をばらまいてテヘペロの世界である。ネット・ビジネスなんて、(片棒を担いでいる側の人間がん言うのも変だが)そんなもんだ。補償なんてしてたら、いくらリスク対策をしてもきりがない。
ただし、MS Defender を使うに当たっては幾つかの運用上の注意が必要であることも記憶しておきたい。特に重要なのは、グループ・ポリシーを利用しないといけないので、Windows 10 Home edition のように「グループ・ポリシ・エディタ」と呼ばれる設定プログラムが有効になっていないヴァージョンの Windows では、PowerShell などで Windows の設定を変更するなどの措置をとらないといけない。これは、手順さえ丁寧に踏めば素人でもできることなのだが、どうもコンピュータの素人とかコンピュータに興味のない(でも仕事では使わなくてはいけない)人というのは、手順を追えば自分でもできるようなことですら、「いやだぁ~! こわいぃぃぃぃ、みたいなぁ」とか言って全く何もしようとしないものである。会社の執務室であれば(たとえば僕が代わりに作業してくれるとか色々なメリットがあるので)心配ないが、いまや自宅で自分のパソコンで仕事する人も多い状況では、僕が全ての社員の部屋まで訪ねて作業するというわけにもいくまい(交通費や工数が割り当てられるとしても、いやだね)。要するに、金もかからないしセキュリティ対策としても不安はないけれど、自分でやれという話になってくるわけである。