Scribble at 2023-11-13 16:21:27 Last modified: 2023-11-14 10:41:01

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京阪バス(本社・京都市南区)は守口市や門真市などを走る計7路線について、運転手不足のため12月15日の運行を最後に廃止すると発表した。また2024年春には、寝屋川市と大津市、京都府京田辺市で運行する計9路線も廃止する。

京阪バス、運転手不足で16路線廃止 24年春までに大阪などで

交通インフラがなくなるのは、利用客にしてみれば大きな変化になりうる(免許や車がない高齢者にとっては特に重大な場合もある)ので、廃止は慎重にお願いしたいところだが、儲からないわ自治体の補助もないわでは、私企業に過大な責任は負わせられない。「インフラ」というなら、それは路線全体を支える事業者の存続に関わることなので、たとえば赤字路線の穴を黒字路線で埋めるために料金を値上げするとしても、それを黒字路線の利用者に説得する十分な材料とか理屈が必要だ。そういうことを、日本の企業というのは殆どやっていない。はっきり言って盲導犬のボランティア団体に幾ら寄付するだの、そういうパフォーマンスとかハードウェアの話だけで CSR というものは成立しないということが分かっていないのだ(だからこそ、是非はともかくとして、海外の多くの企業では僕らのような哲学を修めた人材を登用したりするのである)。

そういう説得の際に、一つのポイントになるのは、その路線がいかに重要なのかを、別の地域の人々に理解してもらうことが難しいという事実である。公共交通機関が生活にとって重要だという一般論なら、小学生の学級委員でも口先では言える。しかし、他人の生活にとってどれほど重要であるかは、そんな口先の優等生的な「ロジック」だけでは分からないものだ。たとえば、このたび廃止が予定されている「京阪守口市駅―JR吹田▽京阪大和田駅―門真団地」(ちなみに毎日新聞では何の説明もなく「▽」なんて記号を平気で使ってるけど、人によっては「表面粗さ」とか「消防隊侵入経路」とか色々な意味にとれる。この場合は読点でいいような気がする)という経路は、大阪の人間でも土地勘がなければ要不要の実感なんて湧かないだろう。もちろん漠然とだが、大阪というのは大阪環状線の同心円状に地域をつなぐ公共交通機関が少ないという特徴があって、蜘蛛の巣で言えば中心街に向かう縦糸にあたる経路は私鉄や JR などが色々あるが、横糸に相当する路線が非常に少ない。

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