Scribble at 2024-05-16 12:03:28 Last modified: 2024-05-16 12:09:05
ここではしばしば数学の教科書について苦言を呈しているが、誰の本だったか、唖然とするようなものがあるのだからしょうがない。確か、高校時代に天王寺のユーゴー書店で見た記憶があるのだけれど、大学初年度用のテキストの序文に「この本は、高校までの数学を学んでいれば読めるように書かれている」などと、いかにも教育的な配慮を施しましたと言わんばかりに、著者のマヌケなドヤ顔が見えそうな調子で書かれていた。かように、数学者というのは実際には(頭の中はともかく)他人に向かってものを書く際には、かくも愚かになれるものかと、逆に感心させられた覚えがある。
もちろん、大学のテキストは高校までの勉強をしていたら読めるというのは紛れもない事実であり、何も間違ったことは言っていない。しかし、それを何か特別な執筆方針や配慮であるかのように書かれているところに、僅かな驕りを感じるし、やはり教育者としての大学教員の責務を「研究者にとっての余計で負担なタスク」だと考えている愚劣さを覚えた。教育は、この制度的かつ世俗的な高等教育にあっては、はっきり言って大学「教員」にとっての使命であろう。