Scribble at 2025-08-04 17:39:57 Last modified: 2025-08-04 17:45:07

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何年前のことだったか忘れてしまったが、たしかお盆の頃に出勤する途上で、Osaka Metro 四つ橋線に乗っていたときのことだ。いまでは珍しくなったラッシュの車内で、腕を伸ばして列車の天井に指を付けて踏ん張っていたのだが、隣に小柄の人物が立っていて、柔道かなにかしていたのか、揺れても微動だにしなかった。ちょうど彼の向きへ揺れたときに、もちろん彼は全く動かないので、天井につけていた指の踏ん張りがきかずに、指を天井から放したら、何かの隙間に指が入ったらしい。そのときは何も感じなかったのだが、肥後橋へ列車が着いて降りようとしたら、指から手のひらまで血で真っ赤になっていた。ただ、目立たなかったのか、周りの人は何も気づかずに列車を降り始めたので、僕も急いで降りてから、肥後橋の駅長室へ駆け込んで「絆創膏はありませんか」と尋ねた。手の様子から駅員は顔を真っ青にしていたが、僕が平然としていたので、何か大きなトラブルになることはあるまいと安堵したらしく、僕に絆創膏を渡すと再び自分の業務に戻っていった。しかし、その後で会社に荷物を置いてから、大阪中央病院で診てもらうと5針の怪我だという。痛みが殆どなかったし、医者もさほど慌てる様子がなかったので、麻酔もなしに縫合してもらって病院を後にした。

その傷の跡は、まだうっすらと残っている。というか、縫合するほどの怪我は跡が消えにくいらしいので、昔から女性の顔に傷をつけるのは重大なことだったのだろう。もちろん、僕は相手の顔に傷があろうと、顔が半分無かろうと気にしない。僕は、「人の値打ち」という観念がまともなものだとは思っていないが、仮にそういうものがあるとして、顔に傷があるとか顔の大半が焼けただれているとか、そういうことで「人の値打ち」を語れるものではないと思う。そもそも、僕のような哲学者に言わせれば、顔の傷と化粧とニキビの違いや差なんて、そういう「人の値打ち」という尺度で言えば、あってないようなものだ。

ちなみに、列車でどうやって指を切ったのかというと、エアコンの通風孔はアルミ製で、表側はともかく内側は縁が尖っていて、そこへ指をかけたせいで切ったのだろう。それいらい、いくら背が高くても天井やエアコンに手をつけて踏ん張ることは止めたのだが、そもそもコロナ禍によってラッシュの状況が少なくなった。

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