Scribble at 2021-05-31 16:37:11 Last modified: 2021-06-01 09:23:53

Google Photo で高画質(だがオリジナルの画質よりは落ちる)の写真や画像ファイルが無制限に保存できていたのだが、このほど5月の末をもってサービスの内容が変更されたようだ。これまでにアップロードされているファイルは引き続き保管できるが、新しくアップロードする画像や写真ファイルについては、画質の良し悪しに関係なく、無料のアカウントだと Google Drive の 15 GB という容量を超えて保存できなくなる。よって、無料で写真を保存したい人は、ここ数日のあいだにせっせと Google Photo(Google Drive)へアップロードしているようだ。うちの連れ合いもゲームで溜め込んだスクリーン・ショットの画像を大量にアップロードしているらしい。僕は、もともとスマートフォンで写真を滅多に撮影しないし、ゲームのスクリーン・ショットもさほど残したりしないので、そう深刻には考えていない。というか、僕は 200 GB の Google One を契約しているため、別に 15 GB といった容量でファイルの保管を考えているわけではないから、もともと焦る理由もない。もし連れ合いが必要なら、Google One の領域をシェアできる機能があるから、使ってもらってもいいくらいだ。

ファイルの保管なりバックアップというのは、もちろん昨今では技術者や企業だけの問題ではなく、大量のメディア・ファイルを扱う個人の問題として広まっている。たとえば学術研究を目的として PDF ファイルでオープン・アクセスの論文をダウンロードするにしても、それこそ毎日のように何百とオープン・アクセスの論文が(有料の論文も含めたら1日に何万本というオーダーになるだろう)世界中で公開されている昨今では、書籍やコピーの置き場所という問題もさることながら、データの保管手段なりバックアップ方法についても考えざるをえない。もちろん、そういうことを全く考えずに済ませるというのも一つの見識ではあろう。論文なんて大学のアカウントでアクセスして、その場で読めばいいだけだ。何も自分のコンピュータのローカル・ドライブにダウンロードして保管する必要などないというわけである。読むべきものや読んだもの、あるいは読んだものについてのノートやメモなら手書きの手帳で十分かもしれない(実際、僕も自分のパソコンを買う博士課程の頃までは、読むべき論文のリストなんて手帳にまとめるのが当たり前だった)。そして、どちらのやり方にせよ、僕はたびたびそういう小役人的というかピールミール的な〈作業〉に埋没することなど学問と言えようかと皮肉を書くことはあるが、もちろん出来もしない遠大なテーマだけを振り回していれば済むように思い込むのも、一種の中二病というものだろう。よって、どちらにしても必要があればやればいいというだけのことにすぎない。

問題は、それぞれの目的にとって十分に安定していてリスクの少ない方法なり技術を選んで利用するという実務だ。そういう実務にあって、実際に僕が採用しているのは、自宅で大容量の NAS へファイルを一括して保管しておくことと、定期的に Blu-Ray に記録することだ。それから、一定の期間だけ頻繁に利用するファイルについては、それ以降はファイルなり情報として失われても大きな支障はない(典拠の情報だけ失わなければいい)ので、そのあいだだけは Google Drive へアップロードして、自分の自宅のパソコン、NAS、Blu-Ray、そして Google Drive と三つの保管方法を維持すれば、かなり安心できる。これが一斉に失われるとすれば、それこそ中二病的な世界規模の大災害(コロニーが地球へ落下するとか、「使徒」とか呼ぶような未知の侵略者が現れるとか、それとも大規模な情報セキュリティ侵害を引き起こすウイルスが誰か、いや自力で進化してネット上に拡散するとか・・・)くらいだろう。それとも、僕自身が何らかの精神疾患になってしまい、利用する側の主体が無用となる場合だ。

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