Scribble at 2025-11-13 17:46:02 Last modified: 2025-11-13 19:09:27
『行政学講義』(金井利之、ちくま新書、2018)を手にとってみたが、これは行政学を一通り学んだ後に金井氏の評論という体裁の本として読むべきものだと思う。これを「入門書」や「教科書」だと言い張るなら、得てして傍流や少数意見の学者が書くものにはありがちな態度だが、はっきり言って出版社として公正な態度とは言えない。
理由は明白だ。序章でいきなり、政治は必要悪であり、行政にとって価値などないと言い放ち、さらには日本を実質的にアメリカの独立行政区だと書いているからだ。著者の独自意見を欄外や脚注に添えるならまだしも、本論の梗概としてそのような酒席やブログで言い放つような放言を展開するのは、学者としても資質を問われて良い書き手だと思う。こういうことは、右か左かという区別とは無関係に、許容してはいけないことだと思う。逆に日本の出版社は、150年前からこのかた、こういうことに甘い編集方針をとっているからこそ、世界的な統計で言って出版点数が多くても、しょせんゴミばかり吐き出しているのだ。