Scribble at 2022-07-27 18:49:39 Last modified: 2022-07-27 18:52:49

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RPN の解説と批評のページは、既に参考文献が50点に迫る勢いになっていて、論点が拡散し始めているため、8,000字ていどを書いたところでいったん中止した。そして、全体の構成を改めて書き直している。RPN の考案者であるウカシェヴィチが最初に RPN を導入した命題論理という脈絡での使い方を正確に説明した方がいいような気もしているので、いきなり現代風に述語論理を使って解説するのもアナクロだし、初心者にとっては逆に分かりづらい可能性もあると思った。

なお、RPN が主に紹介されたり議論される形式言語論の構文解析理論(コンパイラの理論)はもちろんだが、もう少し初等レベルの事項から入った方がいいと思うので(いきなり構文解析の議論をしてよい相手は、最低でもコンピュータ・サイエンスの学士号を持っているか高専を卒業している人くらいだろう)、有限状態機械、つまりオートマトンの概略を述べるところから始める予定だ。本来は予習として、例えば『ゲーデル,エッシャー,バッハ』の第10章を読んでもらうよう求めたいが、それは GEB を参考に本文で展開させてもらうことにした。なんだかかなり分量の多くなりそうな教科書じみた内容になりそうだが、RPN の解説と有効性や限界というテーマにアプローチするための、通俗化を避けつつ丁寧な解説を心がけると、そういう内容になってしまうのは仕方がない。

それはそうと、オートマトンについて幾つかのテキストを読み返してみたのだが、最もよく出来ているのは、皮肉にも僕が持っている中で最も古い本だった。それは、尾崎弘氏と樹下行三氏による『ディジタル代数学』(共立出版、大学講座 電子工学、1966)だ。得てしてこういうことがあるからこそ、理数系の本でも昔の本を簡単には無視できない。

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