Scribble at 2022-05-16 11:53:24 Last modified: unmodified

僕は "extraterrestrial life"(地球外生命)というものに、概念としても実物としても全く興味がない。いたら何なのかという含意に、地球上の目の前にいる生命について分かることを超えた何か重大な事実があるとは思えないからだ。そして、まだ見知らぬ地球外の生命についてあれこれと〈物理学的な思弁〉とか〈宇宙論的な想像〉を重ねたところで、そんなものは現行のわれわれが手にしている科学の成果から言える範囲のことでしかなく、そんなものが地球外で実証されたところで、それこそ最初から分かっていたことが追検証されたにすぎない。 僕らがぜんぜん知らなかったことや誤解していたことが、地球外を調べて分かるからこそ、愉快でもあり悩ましくもあるのではないか。想定内の事実を検証することも一つの科学の成果ではあるけれど、正直なところ何もエキサイティングではないし、哲学的には「知識のゼロ加算」でしかない。

したがって、火星にタコみたいなのがいたと分かったところで、それはそれで楽しいエピソードではあるかもしれないが、〈ここにいるような生命があちらにもいる〉という、哲学的にはまったくもってつまらない話なのだ。

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