Scribble at 2023-04-24 16:28:52 Last modified: 2023-04-24 16:35:09

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最近はデザインのショウ・ケースとして Behance(大昔は Twitter のようなサービスだったのだが、Adobe に買収されてデザインのショウ・ケースなりコミュニティ・サイトとなったらしい)を利用しているのだが、どうも提案されているデザインの品質に大きな差があって、ここで検索すること自体が面倒臭いため、まさにショウ・ケースをウィンドウ・ショッピングするような暇潰しで眺めていることが多い。

たとえば、上のような画像処理はプロのデザインとしては失格である。理由はすぐに二つほど思いつく。第一にモデルの写真へグラデーションが適用され過ぎてしまっていること(たぶん画像の右端を「適用0%」などとして中央あたりまでは緩く、そして中央から急に適用度を上げるように画像の全域へグラデーションをかけている。モデルを避けるようにグラデーションを適用するという素人のやり方だ)、そして第二にグラデーションが暗い色に向かっていることである。この二つの特性が重複することによって、これは自動車学校のキー・ビジュアルなのだが、そういうデザインの目標に相応しくない印象をビジターに与えてしまう。暗い色というのは、たいていどこの国でも危険とか不穏当な印象をもつ。よって、そちらに向かって行くような絵柄そのものが「縁起の悪い」印象を与える可能性がある。たとえば車が谷底へ転落するとか、進行方向で事故に巻き込まれるとかだ。

ただ、グラデーションがモデルの写真に深くかかっていなければ、まだそういう危険な印象を与えずに済ませられる可能性がある。しかし、それでも原則として暗いトーンそのものが不適切だ。かろうじて使える色彩があるとすれば、恐らく車の社内の影と同じくらいの濃いベージュや、車体と同じ色相の暗い色が限界だろうと思う。やはりベターなのは、明るいトーンの色へ向かう印象を作ることだろう。濃いトーンの色へ向かう印象を利用して良いのは、堅実さやリスクの少なさや権威を示してもらって安心したいというコンテンツの場合だ。ただし、グラデーションそのものにウェブ・コンテンツのビジュアルとしての制約があるため(横幅一杯に画像を見せる必要がある)、プロのウェブのデザイナーは画像に(縦だろうと横だろうと)グラデーションを多用しないのが常識である。

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