Scribble at 2021-07-22 09:07:09 Last modified: 2021-07-23 00:45:36

添付画像

エレコム株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:柴田幸生)は、ノック式USBメモリータイプで超小型、セキュリティ機能も付いて安心な外付けSSDを発売いたしました。

PlayStation®5にも接続可能! ノック式USBメモリータイプで超小型、 セキュリティ機能も付いて安心な外付けSSDを新発売

内部構造はともかくフラッシュ・メモリという点では USB メモリと似たようなものだから、SSD が登場したときに本商品のような USB タイプの外付けストレージも間髪入れずに発売されるのだろうと思っていたが、よく考えたら当時の標準的な USB の規格であった USB 2.0 なんてものは、インターフェイスの速度としては遅すぎたのだ(480 Mbps というと秒速 60 MB ていどであり、一般的な HDD の秒速 150 MB には及ばない)。本商品のように USB 3.2 に対応するなら、理論上は 20 Gbps つまり秒速 2 GB という桁の違う速度の規格として接続するから全く問題ない。現実の製品は秒速 500 MB くらいだが、これでもゲームをインストールしてすら支障ない速度だろう。実際、HDD でもゲームをインストールできるのだから。

ただ、僕は USB というインターフェイスの物理的な接続に信頼が置けないので、1 TB のタイプが1万円くらいで買えるようになれば興味が出てくると思うけれど、実際に使うかどうかと言われたら躊躇する。実際、USB 製品は他のインターフェイスに比べて圧倒的に接触不良が起きやすい。Windows を起動したときに LAN ケーブルの接触不良でネットワークが接続できないなんてトラブルは、どこでも買える安物のケーブルを使っていてすら10年に一度も起きないが、USB 機器の接続不良なんて頻繁に起きる。外付け HDD にしろ、Happy Hacking Keyboard にしろマイクロソフトのマウスにしろ、仕事中だろうとボスキャラと戦ってる最中だろうと連れに愛のメッセージをタイプしていようと、問答無用で認識しなくなったりするものだ。そういう安定性はどうなっているのか。

また、昔から言われていることだが、USB というインターフェイスには困ったことに「寿命」がある。これは内部ストレージの書き換え回数の寿命という意味ではなく(もちろん SSD にはそういう意味での「寿命」もある)、抜き差ししたり自然に空気に触れて酸化するといった劣化の許容度があるという意味だ。規格では USB のタイプ A で 1,500 回の抜き差しを想定しているため、毎日のように自宅と会社とでデータを持ち運びするのに USB メモリを使っていた(場合によっては不届き者の)人は4年ていどで USB メモリが認識されなくなる可能性がある。これが大きな問題になってこなかったのは、3年も経てば更に大容量で安い USB メモリが発売されるため、内部ストレージの寿命やインターフェイスの劣化という寿命がやってくる前に、そんなことを知らなくても多くの人が新しい USB メモリに買い替えてきたからだと言っても良いのだろう。

しかし、いまあなたが勤めている会社から転職先へ顧客データを盗み出すといったていどの一時的な作業(!)に使うならともかく、常用するストレージとして導入するなら、記録メディアの耐久年数とまでは言わなくても、せめて理論的になら数十年の使用に耐えてほしい。そして、二つ前の段落で書いたように、挿したままでも誤認識が頻繁に発生するという問題を解決してもらわなければ不安だ。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook