Scribble at 2025-10-06 11:01:26 Last modified: unmodified
以前も書いた話なのだが、「電子メール」(かなり古めかしい言い方だが)の歴史や、他の通信システムとかプロトコルなどとの比較、それからもちろんスパムなど情報セキュリティに関わる話題など、歴史や動作原理や社会的な役割なども含めた体系的な概論を書いてみたいという意欲がある。たぶん、日本の IT ジャーナリストなんていう、コンピュータ・サイエンスの学位もなければ、こういうものを書こうという意欲もない連中には期待できないので、科学哲学者が代わりにこういうものを調べて書くという皮肉なことになるのだろう。もし、やるとすればだが。
しかしもちろん、僕は哲学者として更に重要なタスクがあるので、可能ならベトナム人でもトルコ人でも誰かがやって、Springer あたりから英語で出版してくれるとありがたいのだが、こういうこと(皮肉まじりに「インターネット考古学」と呼ばれる)は、どうやらマニアがやるのが相場らしく、学術研究者はあまり食指が動かないらしい。なぜなら、こういうことをやって先進的な知見が得られるわけではないと思っているからだ。
しばしば、こうやって歴史を典型とする社会科学全般を軽視する傾向があるけれど、それはウェブでものを書いている人々の多くが IT やウェブやコンピュータで飯を食っているだけの人間であり、自分たちの興味や職能によるバイアスであることを自覚していない、要するに社会科学的な素養や知見が欠落しているからなのだ。つまるところ、社会科学を知らない人間が「社会科学は分からない」と言っているだけであり、こんな子供のたわごとに学術的な価値などない。