Scribble at 2025-10-11 09:18:57 Last modified: 2025-10-11 09:21:53

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Liquid Glass Is Cracked, and Usability Suffers in iOS 26

まぁそうだよな。そもそも、スキューモーフィズムって UI 全体のデザイン・ポリシーにしてよいかどうかなんて自明でもなんでもないのだから、これを「理想的な UI」として掲げること自体がおかしい。そして、もちろんだがポリシーとして掲げたところで貫徹なんてするわけがない。あらゆる UI コンポーネントにガラス風の look ang feel を適用することなど意味がないし、効果的でもないし、上の記事で指摘されているようにユーザビリティの点では逆効果になったりするからだ。

それに、僕ら自身が生活している状況を見回してみれば誰でも気づくように、僕らの身の回りの調度品なり家具なり機械がガラス状の物体だったり、透明のボタンだけで操作するように作られているなんてことはありえない。幼稚な SF アニメに出てくる宇宙船の操作盤じゃあるまいし、あらゆるユーザ・インターフェイスが画一的な look and feel になってるなんてのは、寧ろ不自然なのだ。

Liquid Glass が発表されたときに「Aqua スタイルへの回帰」と言われたわけだが、特定のスタイルというよりも、Apple のユーザ・インターフェイスの設計チームがスキューモーフィズムにこだわるという固執の方を問わなくてはいけない。なにをどう見せようと、しょせんはディスプレイに表示されて接触するだけで扱うユーザ・インターフェイスであるという原理は変わらない。その特性を前提に最適なユーザ・インターフェイスを設計するのが望ましく、それが結果としてガラスのような見栄えや操作性になるならともかく、見栄えや操作性から設計を逆算するのは思い込みでしかない。

ただ、幸か不幸か Liquid Glass の影響って実際には殆ど感じていない。もちろん、それだと皮肉にも何のために大規模なアップ・グレードをやったのかという話になるわけだが、実は UI 設計の変更なんて Apple にとっては些末な話であり、実は iOS を始めとする各種の OS の設計や管理をデバイスごとのリソースで賄うのではなく、或る程度は共有して合理化することに主眼があったのではないか(そのために、たぶん人員整理もしたのではないか)という気がする。

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