Scribble at 2025-01-15 17:59:29 Last modified: unmodified

当サイトでは2024年の5月に、WeWork Japan が自己破産したことを簡単に取り上げた。そもそも孫正義氏が巨額の投資を行っていた頃から、単なるレンタル・オフィスの事業が世界を変革するなどとぶち上げるのは、頭の弱い個人投資家向けのプロパガンダにすぎないと思っていたので、これは別に意外でもなんでもない結末だった。調べてみると、アメリカ本家の WeWork の顛末については本が2冊ほど出ていて、NotebookLM にかけてみたら以下のような要約ができあがった。

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1. WeWork 急成長の要因

1.1 革新的なオフィスモデルの提供:WeWorkは、従来のオフィス賃貸とは異なり、柔軟な契約、魅力的なデザイン、そしてコミュニティ形成を重視したオフィススペースを提供しました。これにより、スタートアップ企業やフリーランサーなど、従来のオフィスでは満たせなかった層のニーズに応え、急速な成長を遂げました。WeWorkは、従来のオフィス空間がもはや時代遅れであるという認識を広め、起業家たちが長期的な契約に縛られることなく、事業を立ち上げられる場所を提供しました。

1.2 「We」の概念とコミュニティ重視の姿勢:WeWorkは、「We」という言葉をブランドの中心に据え、メンバーがコミュニティの一員であるという感覚を醸成しました。このコミュニティ意識は、単なるオフィス空間以上の価値を提供し、メンバー間の交流やビジネス機会の創出にもつながるとされました。また、WeWorkはイベントやパーティーを積極的に開催し、従業員やメンバー間の結束を強めました。

1.3 アダム・ニューマンのカリスマ性と大胆なビジョン:CEOのアダム・ニューマンは、そのカリスマ性と野心的なビジョンで、従業員、投資家、そして不動産オーナーを魅了しました。彼はWeWorkを単なる不動産会社ではなく、テクノロジー企業、ソーシャルネットワーク、そしてコミュニティ企業であると主張しました。ニューマンは、WeWorkを通じて世界を変えるという壮大な目標を掲げ、人々の意識を高めるといった抽象的なスローガンを多用しました。

1.4 ソフトバンクからの巨額投資:ソフトバンクの孫正義は、WeWorkの可能性を高く評価し、巨額の資金を投入しました。この投資により、WeWorkは世界規模での事業拡大を加速させ、企業価値を急上昇させました。

1.5 スタートアップ文化の隆盛:WeWorkは、スタートアップ企業が急速に成長し、成功を収めるための場所として位置づけられました。当時、「スタートアップを立ち上げることが成功への近道である」という認識が広まっており、WeWorkはそのような起業家精神を支える場所として認識されました。

1.6 テクノロジー企業としての自己認識:WeWorkは、自社をテクノロジー企業であると位置づけ、「物理的なソーシャルネットワーク」を構築していると主張しました。これは、WeWorkの事業をより魅力的に見せ、高い企業価値を正当化するための戦略でした。

2. 崩壊の要因

2.1 過剰な成長戦略とそれに伴うコスト増:WeWorkは、利益を度外視した急拡大を優先し、短期間で多数の拠点をオープンしました。この結果、賃料の高騰、建設の遅延、運営コストの増大などを招き、財政状況を悪化させました。特に海外展開においては、現地の状況を十分に把握しないまま進出し、コストが膨らみました。

2.2 不動産ビジネスとしての実態:WeWorkは、テクノロジー企業であると主張しましたが、実際には不動産賃貸ビジネスであり、そのテクノロジー要素は限定的でした。WeWorkは、オフィススペースの賃貸が主な収入源であり、テクノロジーによる収益性は低いものでした。この乖離が、投資家の期待を過度に高め、後に失望を招きました。

2.3 アダム・ニューマンの経営手腕と企業文化の問題:ニューマンの独断的な経営スタイル、私的な支出、過剰な演出、身内びいきの雇用などは、社内外からの批判を招きました。従業員は長時間労働を強いられ、企業文化はカルト的と評されることもありました。また、企業の成長を自身のカリスマ性に依存していたため、彼の不在時には企業が機能しなくなる可能性がありました。

2.4 「コミュニティ」という概念の形骸化:WeWorkは「コミュニティ」を売りにしましたが、実際にはそれは表面的なものであり、ビジネスの都合の良いように利用されていました。調査によると、WeWorkメンバー間の交流はそれほど活発ではなく、期待されたようなコミュニティは形成されていませんでした。

2.5 テクノロジーへの過信:WeWorkは、自社開発のソフトウェア(WeConnect, Space Man, Space Station)がコミュニティ形成や運営に不可欠であると主張しましたが、その機能は限定的でした。これらのシステムは、成長に追いつかず、しばしば問題が発生しました。

2.6 財務状況の悪化と過大評価:ソフトバンクからの巨額投資によって企業価値が過度に高められた結果、市場からの期待と実際のビジネスモデルとの間に乖離が生じました。WeWorkは、損失を隠蔽するために「コミュニティ調整後EBITDA」という独自の指標を用いたことで、批判を浴びました。

2.7 IPOの失敗:IPOに向けて提出されたS-1フォームの内容がずさんであったこと、アダム・ニューマンの行動に対する懸念の高まりなどから、投資家の信頼を失い、IPOを撤回せざるを得なくなりました。S-1フォームは、企業の事業内容を明確に説明せず、過度に複雑であると批判されました。

2.8 競争激化:WeWorkの成功を見て、多くの競合企業が登場し、価格競争が激化しました。WeWorkは、競争相手を打ち負かすために過剰な割引を提供し、財政状況をさらに悪化させました。

2.9 持続不可能なビジネスモデル:WeWorkは、短期的な収益性を度外視した急速な成長を優先したため、長期的な持続可能性を確保できませんでした。特に、長期リース契約と短期賃貸契約のギャップが、経済状況の変化に脆弱であることを露呈させました。

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実は、今日は午前中に WeWork の下見に行ってきたのだが、なかなか細かいニーズにまで配慮された、個人や少人数の組織が利用するには良いレンタル・オフィスだと思う。でも、入居している組織が頻繁に交流している様子はないし、WeWork が主催しているというイベントにしても、どのていどの反響があるのかも不明だ。そもそも、リアルで「ソーシャル」であることを求められるのが嫌な人が個人や少人数で起業するのではあるまいかと思うと、限界はあろうと思う。もちろん、大昔からある「異業種交流会」なんていう暇潰しをやったところで何の効果もないのは経営学を少しでもかじった人間なら誰でも知ってる常識なのだから、最初の何回かで誰も参加しなくなるであろう。

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