Scribble at 2022-06-10 09:03:41 Last modified: 2022-06-10 10:58:04

古くから使われてきたプログラミング言語、Prolog や Forth のリソースを調べていても、この国でウェブに何かを書いている技術者なり教育者のスタンスというのは、残念というよりも呆れてしまう。恐らく、これらの言語を活用して実績を出していると思われる人々は、僕と同じか上の世代には多くいる筈なのだが、そういう人たちは仕事の道具として使っていた事情から、実績として言及できなかったり、何かを公に書くと同僚や部下や上長に能力を計られてしまう不安もあってか、なかなか書こうとしないようだ。それゆえ、そういう人々と比べて技術者としても未熟だし、おまけにコンピュータ・サイエンスとしての見識すらない、せいぜい都内の泡沫ベンチャーの若造などが「こんな言語を知ってますか?」といった、オタク競争の先頭争いさながらのイージーに唾を付けたていどの浅薄な文章をブログや Qiita や note などに書き付ける。

そういう「今北産業」的でワイドショーのお得情報みたいなものばかりが、さらに輪をかけて無能な IT ブルーカラーたちに珍重される。なんとなれば、実装事例や実装能力なんてなくても、無能やオタクにとって重要なのは〈知っている〉という一点だけであり、そこにおいて他人よりも物知り競争をリードできるかどうかだけが、オタク業界でのヘゲモニー掌握(たぶん、その頂点がクズみたいな専門学校の講師になったり秀和システムや日経BPなどから本を出したり、業界団体の理事になることなのだろう)では重要だからだ。

実際、これらの言語について検索すればすぐにわかると思うが、この国の言葉で書かれたウェブの文章の大多数は、いわゆる「やってみた」系の入門記事ばかりだ。言語の粗雑な紹介に始まってインストールの手順、それから自分が使ってきた言語と違う特徴を適当に書き並べて、それで終わり。いや・・・おまえたち、Forth で何か開発したの? 大学教員なら、Prolog を使って(Prolog を使った教育の報告とかじゃなくてさ)何か論文を1本でも書いたのか? 馬鹿や無能が暇に任せて仕事や学問と関係ない(しかも利用されているドメインが著しく制約されていたり限られた)プログラミング言語なんて覚えたところで、そんなものは人類の知識にとって、僕がいつも言っているように〈ゼロ加算〉でしかない。当人は「何か足した」という自覚や記憶があって、なにか貢献したかのような自己欺瞞や錯覚に陥るのかもしれないが、他人からみればバカや能無しの成果なんてゼロを延々と足し算しているだけのことだ。

マイナーなプログラミング言語の紹介記事なんて、どれだけあっても意味がない。馬鹿に限ってたくさんページが増えると「裾野が広がる」とか「情報に接す機会が増える」などと、社会科学的な観点から言っても殆ど根拠のないことを言うものだが、ページの数が多くなって SEO として有利になったところで、それらは無数のゴミでしかないだろう。それらの言語を道具として真に必要とするはずの有能な人間は、どのみち英語も必要に応じて習得するはずなので、東アジアのマイナーな言語で未熟者が書いた文章など何億ページあろうと最初から不要なのだ。Scheme だろうと ML だろうと、マイナーな言語を紹介するなら、それと同時に自分がそれで何をしたのか公にしろ。話はそれからだろう。「これは僕が使って、こういう成果があった。なので、他の方にも紹介したい」という動機や熱意があってこそ、初めて他人に何かを訴える説得力が生じる。上場企業やベンチャーで暇を持て余している IR/PR 系の「スター・エンジニア」みたいな小僧が片手間に何を紹介していようと(こういうことを書くから、「OpenID の伝道師」とか言われたサイボウズ・ラボの某氏を怒らせたりしたわけだが)、そんなものを若者に読ませて何になるのか。寧ろ、マイナーなプログラミング言語のクズみたいな紹介ページを量産したり、そういうものに目を向けるよう若手に促すことで、凡庸な人々にどうでも情報をばらまき、何かに専心することから目を逸らすことで、自分たちの既得権益や技術・知識のアドバンテージを保ちたいというスケベ根性ではないのか。

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