Scribble at 2022-02-03 09:11:31 Last modified: 2022-02-03 09:19:00

この時期に節分(立春の前日)があることは、おおよそ日本の伝統として知られているし、豆を撒いたり魔よけの飾りを付けたりする風習も色々とあるわけだが、ここ最近になって Twitter などでは「恵方巻」と呼ばれる太い巻き寿司を関西の風習として紹介しつつ、食べたのどうのという話を書いている人がいて困る。

はっきり言えば、関西人(しかも大阪の人間)の大半はこんなもの食べない。なぜなら、そんな伝統や習慣なんてないからだ。

これは「江戸しぐさ」と同じで、胡散臭い昔話などから勝手にでっち上げて「伝統」や「文化」だと一部の利害関係者(恵方巻の場合は海苔業界やコンビニエンス・ストアの業界)が言い張っているだけのマーケティングにすぎない。実際、僕が生まれた頃というから50年ほど前の資料だと、大阪で生まれ育った古老だとか当時の歴史学者ですら、全く聞いたこともなければ資料で読んだこともない「風習」だという。確かに太巻きを食べる習慣としては一部の人々にあったようだが、花街だけだとされていたり、あまり確たる証拠もない。

なお、花街が発祥という説には以下のような解説もある。

「恵方巻は花街の遊女に対して旦那衆が行ったセクハラをもとにつくられたもので、恵方や願掛けなどといったもっともらしい言い訳をつくり遊女や芸者を納得させ、きれいどころが太巻きを一本丸のまま、眼を白黒させながらほおばる姿を楽しんだという。旦那衆のなぐさみものになっていた破廉恥きわまりない花街の淫乱な遊びだったという説もある」(https://news.allabout.co.jp/articles/d/48263/p2/)。

もし本当なら、関西の伝統どころか恥ずべきことと言ってよい。

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