Scribble at 2024-11-29 19:57:06 Last modified: unmodified
ポール・デイビスの『宇宙 最後の3分間』(出口修至/訳、草思社、1995)を1時間くらいで、なかば飛ばし読みした。具体的な仮説の内容は、正直なところ一般相対論や量子力学の詳しい議論を理解しなければ、単なる言葉の羅列を「そうか、そうか」と眺めるだけで終わってしまい、それが理解だと錯覚する原因になってしまうから、実は通俗的な自然科学の本は真剣に読まないほうがいいこともある。ただし、ビッグ・バンとビッグ・クランチの「くりかえし」という発想は、宇宙が永遠に存続するかのような錯覚に陥りやすいので注意が必要だというポイントだけは、読む価値のある興味深い指摘だった。残念ながら、それ以外の著者の解釈は、あいかわらず宇宙は有限で終わりがあるがゆえに意味があるといった、「宇宙論的浪花節」の繰り返しである。