Scribble at 2021-09-22 13:54:53 Last modified: 2021-09-27 13:13:11

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ということで、次に『コア・コンピタンス経営』を手にとっている。冒頭からいきなり強い違和感を覚えるのだが、まぁいい。この本は既に読んだ幾つかの本で揶揄されていたり、軽くバカにされているのだが、結局は目を通してみないと具体的なことは分からない。

ただ、この手の経営書に多い傾向として、競合他社との競争がどうとか、業界のルールを自分たちで作るだとか、とにかく巨大企業のことしか頭にないかのようだ。アメリカのアイビー・リーグで経営を教えたり研究している連中というのは S&P500 に入っていない会社は「企業」ではなく、それらの会社では「経営」が行われていないか、あるいは自分たちが相手にする〈レベル〉の経営は行われるべくもないと思い込んでいるかのようだ。いや、せいぜい小規模の会社を話題にできるとしても、彼らが思い描いているのは何年か後に事業評価額が数百億円になるような IT ベンチャーくらいなのだ。

僕は、経営学とか経営コンサルというのが、原則としてそういうものだけを「企業」だとか「経営」だと考えている限り、殆どあってもなくてもいい分野としか思えない。ちょうど、大半の広告代理店がクライアントの巨大企業としての集客力を広告の力だと錯覚し続けてきたのと同じく、経営コンサルや経営学の理論が語る「経営戦略」にしても、しょせんは正しかろうと間違いだろうと幾らでもリスクヘッジできたり補正できる巨大企業だからこそやれるというだけの言葉遊びでしかないのである。

あと、『コア・コンピタンス経営』を読み始めてとにかくイラつくのが、このイギリス人特有の偉そうな態度だ。あなたはこれをしてるか、これはどうだ、そして管理者 vs. 建築家といった、バカでも作れるイージーな二項対立(そしてどちらかが無条件に正しいという田舎者特有の価値観)をもてあそぶ。作りごとの概念だけで組み上げられた理想をあれこれと現実の会社にぶつけて知識人ぶるだけで経営学者を名乗れるなら、それこそ俺なんて明日からでも LSE の教授やマッキンゼーの上級コンサルにでもなれる。

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