Scribble at 2023-07-19 18:07:54 Last modified: unmodified
よく外圧とか言うけど、「海外に遅れをとるな」なんて、既に周回遅れになってからしか気づかない調査能力やブレーンしか抱えていない日本の政治家が拙速にあれこれ始めても、たいていは碌な事にならないという典型的な事例だ。
大阪でも、維新が似たようなことを繰り返している。もちろん何か別のことを始めなければいけないのは分かるにせよ、その始め方や始めるタイミングが、とにかく日本は企業でも政府でも大学でもことごとく遅いし思慮不足だ。でも、凡人のやることなんて大抵はこんなもんである。危機感がなくて安心していられるなら、調べたり事実を知る必要は無い。それを安心していられる状況ですら指摘したり嗅ぎ回るような、市民オンブスマンとか、ルポ・ライターとか、社会学者とか、左翼とかが、不安をかき立てるからこそ迷惑がられる。
これは、実は僕らのように企業の中で情報セキュリティのマネジメントや個人情報保護の体制を運用している状況でも同じ事が言える。何も事故が起きていないのに、どうしてこういうことをやったり気をつけなくてはいけないのか・・・これは、いわば凡人の生理とか本能のようなものであって、こういう危機感のなさを論ったり怒ってみたところで始まらないし、かといって馬鹿にしたり冷笑していても何か解決しない。かといって、魔法のマネジメントみたいに「みんなが一人でに動く」なんていうお伽噺や、電通・博報堂的な「仕掛け」で人心を差配するというのも、結局は属人的で場当たり的で情緒的なものを利用した、持続性のないインチキになのである。自然に納得して参加してもらうには、やはり具体的な処置とか手順とかを事業や業務ごとに観察したり洗い出して、個別に解説したり(しかも、欠点を馬鹿にしたり非難するのではなく)、他のやりかたを(各部門長の発案という体裁で)提案するという仕方が効果的だろう。