Scribble at 2023-06-15 08:04:43 Last modified: 2023-06-15 08:10:14
昨日、AliExpress から3週間ほどの所要日数で200円くらいの剃刀が届いた。商品のページで見た限りでは、スライド式と違う方式かもしれないと思って注文したのだが、実際には Etsy で買ったスライド式の剃刀と全く同じであった。なので、僕はスライド式は使わないことにしたため、これはあくまでも他の剃刀が使えなくなったときのスペアになる。
届いた商品の送り状を見て気づいたのだが、この剃刀は中国製ではなくキルギスタン製のようだ(どういうわけか Google Maps やウィキペディアでは、「キルギス」という通称を使っている。タジキスタンやウズベキスタンは正式名称で呼んでいるのに、この違いは何なのだろう。特に肩入れする理由も動機もないが、単純に言って不見識であり不愉快だ)。キルギスタンの首都であるビシュケク特別市のバイティク=バーティラ通りにある工場だか会社が発送元だった。通りを Google Street View で眺めた限りでは、道の両脇に公団住宅のような低層の集合住宅が並んでいて、ところどころ平屋の店舗や工場みたいな建物がある。
こういうところで、いまや中国の地方都市すら担っていない下請けの仕事をしているのかと思うと、学者や思想家が議論している「グローバリゼーション」なんてものは、経済的な条件の平衡状態に達した、実はありえない理想的な状況ではないのかという気がする。実際には国や地域で常に格差があり、その格差を利用してしか経済つまり労働力や資材などがグローバルに動かないとすると、要するにグローバリズムとは、インチキな経済評論家が言うような、ナッシュ均衡で世界規模での同一労働・同一賃金が達成される理想郷なんかではなく、簡単に言えばポーターの競争優位性が不安定に変動する、まさに投機的な経済状況ではないかと思う。