Scribble at 2020-04-13 11:52:46 Last modified: 2022-10-03 10:28:56

Social distancing

日本では "social distance" という間違った言葉が流行しているようだが、もともと "social distance" は人同士の距離を指す社会心理学の用語、または格差とか差別にかかわる社会学の用語であって、日本語で言う「社会距離拡大戦略」などというものものしい表現とは関係がない。たとえば、小池百合子東京都知事とかが「ソーシャル・ディスタンス」と頻繁に言っているようだが、アラビア語に堪能でも英語は感覚が分からないらしい。はっきり言って、英語を少しでも使っていれば、どうして "social distancing" という動名詞になっているのかというニュアンスが分かる筈だ。これは、"distance" のような状態ではなく、「距離を取ろう!」という能動的な行為のことであり、それを呼びかけるために使われているのである。

こういうことを書くと、「細けーことはいいんだよ」的な反応が出てきたり、アメリカ通を自称する愚かな人々(たいていは留学したり住んでいた土地でしか通用しない習慣や方言だけを理由にしていたり、あるいは自分が周りから「英語ができない奴」という扱いをされていることに自覚がないままものを言っている連中)が「アメリカ人(誰のことだ?)は、そんなこと気にしない」などと勝手なことを言い始める。しかし、その「気にしない」人々こそ、その人物と同じ程度に、アメリカで差別や嘲笑の対象になっている人々だったりするという想像はできないらしい。

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