Scribble at 2023-03-21 10:36:19 Last modified: 2023-03-23 07:10:22

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水落さん「鍛冶屋はすべてを手作業で行っているため、手を抜くわけにはいきません。生産量を増やそうとすれば、それに比例して労働時間を増やさなければいけなくなります。製造でいっぱいいっぱいなので、弟子をとる余裕がない鍛冶屋は多いと思います。しかし最近では、三条へ足を運ぶ若者も少しずつ増え、再び職人に光が当たり始めています。よしくんのような若い人が鍛冶屋に憧れたり、使い手である床屋さんが研ぎを習いにきたりと、追い風が吹いているのを肌で感じます。」

越後三条打刃物の原点はここにあり!技術に科学の裏付けを―三条製作所

僕は他の落書きや記事でも、玉鋼を使って製作される日本剃刀やヴィンテージの日本製西洋剃刀などは既に美術工芸品の類であって生活の道具ではないと明言している。よって、生活の営みとして髭を剃るに当たってわざわざ日本剃刀でなければいけないという理由はゼロだと思う。完全に嗜好品なり贅沢品である。でも、だからこそ金と時間に余裕のある人々は買ったり紹介したり、あるいは自分で研いだり紹介のブログ記事を書いたりして事業者や職人をサポートしていけばいいわけで、そういう人々に僕は何の文句もないわけである。

ただし、そういう人々が文章の端々に示唆する「日本剃刀こそ本物の剃刀だ」などという思い上がりについては、それは違うと言いたい。もう日本剃刀は日本刀と同じで役目を終えたのだ。効率よく効果的に人を殺すには日本刀で切るよりも拳銃で撃ち抜く方が確実であるのと同じく、Schick のカートリッジ剃刀に日本剃刀は生活の道具として勝てない。理容室でも「ソリ子ちゃん」を使って他人の髭を剃る人がいるくらいなのだから(彼らはいちおう国家資格を持つプロだ)、その結果を前にすれば問答の余地などあるまい。

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