Scribble at 2023-03-21 11:47:22 Last modified: 2023-03-23 07:11:16

GORO さんも動画の中で、視聴者からは髭剃り用品の入手について「ノイローゼになるほど」質問されると感想を言っていたのだが、仕方がないとも言える。多くの、特に若い人は基本的な世の中の仕組みとか事実を知らないからだ(もちろん、誰も教えなければ自発的に学んだり調べたりはしないだろう)。確かに、それはバカで怠惰なせいもあろうが、ものを教えたり、調べたり学ぶ動機を与えなければ、知る切っ掛けがないのも事実であり、それを担うのも先達なり大人の役割であろう。もちろん、哲学でも言えることとして、その大半を若い人や素人は無視するし、理解度も足りないし、曲解すらするかもしれない。僕だって考古学や哲学で教えを受けた先生方から、いや学問に限らず学校の勉強とかバイト先の仕事であろうと、多くを学び損なっているのかもしれない。しかし大人の側が教えたり叱咤激励したりシバき倒すようなこと(いまではパワハラと呼ばれるのだろう)をやめてしまったら、こんな矮小で脆弱な民族は北朝鮮か中国に侵略されて数十年後には滅亡してるかもしれない。それこそ、髭剃りなんて語ってる場合じゃなくなるだろう。

ということで、その手の基礎知識についても記事として残しておく必要はあると感じている(もちろん髭剃りだけに限った話でもない)。そこで、手始めに一つだけ簡単なことを書いておくと、straight razor を手に入れたいと思っている人がいて、しかも「まともな」商品を買いたいと思っているとする。もし英語のサイトへアクセスすることに不安がないなら、どう考えても海外のシェービング用品を扱う EC サイトや、メーカーの公式サイトから購入することを薦める。これには簡単な理由がある。つまり、日本には straight razor のメーカーが存在(存続)しておらず(いわゆるハンドメイドとして製作している方はいるかもしれないが、日用品の限度を超えた非常に高額な「一品」であろうし、品質も実は分かったものではない)、かつ海外のメーカーも日本法人や営業代理店を全く置いていないからである。そもそも straight razor の客の多くは昔も今もプロの理容師であるが、現在はプロが替刃式の剃刀を使っていて、しかも日本にはフェザー安全剃刀と貝印という大きな替刃式の剃刀メーカーがあるため、海外のメーカーが参入しても殆どシェアを奪えないことが分かっているからだ。恐らく DOVO Solingen や H. Boker といったメーカーが日本法人を置いたとしても、彼らの剃刀を買う客の大半は、自分で髭も剃れないような成金のオヤジか、あるいは転売業者であろう。僕は、プロの理容師が DOVO Solingen の剃刀をこぞって買うようになるとはぜんぜん思っていない。現に、もしそういう需要があるなら、とっくにアマゾンや楽天に出回っている高額な利益が上乗せされた商品でも飛ぶように売れている筈だからだ(理容師の大多数が最低でも英検2級はもっていて気軽に個人輸入できるならともかく、海外から買ってるわけもないのに国内で売れてないのだから、そもそも需要がないのだ)。2022年の統計だと、日本の理容師は20万人以上もいるのだ。彼らの1割でも西洋剃刀を買って使う趣味や実務上の用途があったら、もちろん販売代理店くらいは設立してもいい理由となろう。

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