Scribble at 2020-07-15 10:40:08 Last modified: unmodified
権力者なり有名人には「有名税」なるものがあるという。要するに公人のプライバシーが一定の範囲で制限されるというもので、それゆえにこうした暴露本が勝手に色々なところから色々な人によって書かれている。これはアメリカでも日本でも同じだが、その内容の是非について議論や法廷闘争になる場合も確かにある。
僕は、この手の本は読み物として面白いのかもしれないが、こんなものを何千冊と出版したり読んでいようと、政治家を選ぶ見識というものは身に着かないと思っている。ゆえに、こんなものは(もともと反対していようとも、支持している人たちを説得できずに終わったという意味でも)トランプを大統領に選んでしまったという事実を隠蔽・免罪するものでしかないと思う。ヒトラーや安倍総理についても似たような本はたくさん出ているが、彼らの氏素性を穿り返したところで、それがどうしたというのか。同じ経歴の人間がこれから出てくるなんて殆どありえないのだから、これはつまり似たような特徴が一つでもあれば疑えという、場合によっては《偏見のススメ》とも言いうるものにしかなるまい。芸術家崩れを政治家にするとホロコーストを引き起こしかねないのか。成城大学の出身者を政治家にするべきではないのか。あるいは従軍経験のない企業経営者は大統領として不適格なのか。
それに、そもそも(臨床)心理学なんて科学かどうかも分かったものではない。占いに毛が生えたようなものだろう(という偏見もある)。